2012年4月24日火曜日

"A Walk in the Park" for Clarinet and Piano



ついに自分の卒業リサイタルが今週末に迫り、これでもかとばたばたしていますが元気にしています。ところで先日友達が以前に委嘱してくれた作品をリサイタルで演奏してくれたのですが、その音源を載せてもいいと言ってくれたのでこちらにも載せさせてもらいます。

曲の内容はタイトルのとおり「公園でのお散歩」です。
ちっちゃい男の子がお天気のいい春の日に、お父さんお母さんに連れられて初めてセントラルパークに行った時の思い出、というようイメージです。見るもの全てが面白くて恐くて、おっかなびっくりながらもずんずん地面を踏みしめて歩いて行きます。途中犬に吠えられてびっくりしたり、暗いトンネル下でミュージシャンが演奏するジャズがなんだか不思議でちょっと恐かったり、それでもため池の噴水に太陽がきらきらするのを見てなんて楽しいんだろうと思ったり。そして「また来ようっと!」と思って公園を出る。という感じです。ほんの1分半の曲ですがアンコールなどに使ってもらえたらなあと、割と気に入っています。

2012年4月16日月曜日

リサイタルシーズン

昨日からNYには珍しく湿気が高く、空気がとてもしっとりしています。何か懐かしい風が吹いているなあと嬉しくて窓を少し開けました。

今日はコンサートを4つはしごしました。実は近日中に仕上げなければならない曲がまだあと2曲あるのですが、今度のリサイタルで弾いてもらう友達のリサイタルや、自分の曲を演奏してもらうリサイタルもあったので。。。

ともかく沢山演奏会に行って「演奏者がその時ふと自発的にそう弾き(吹き)たくなったから弾いた。」かのように見えるような、その楽器や演奏者にとって自然な音楽を書けたらなと思いました。それはもう熟練した俳優さんの、役柄そのものにしか見えない演技、今まさにそこで生まれた感情に突き動かされたような表情といったもので。。。

それから、今更ながら音楽の中での時間の感じ方は、必ずしも日常の時間の感じ方と同じじゃなくていいんだなあと思いました。とにもかくにも作曲家は時間の感じ方に敏感であるべきなのだと思います。曲の中でも、また閉め切りと自分の作曲のペースとの間合においても。。。

そう言いながらまた夜更かしをしつつありますが。。今週もがんばります!

2012年4月11日水曜日

ふみふうせん

アパートのポストが修理中のため、郵便局に郵便物をもらいにいかなければならないのですが、ついつい余裕がなくなってしばらく行けていませんでした。。。

今日は作曲に煮詰まりお散歩がてら郵便局に行くと、なんと嬉しいお手紙がとどいていました!いつもお心にかけて頂いているお友達からの桜の”ふみふうせん”。嬉しくてさっそく膨らまして窓辺に飾りました。

セントラルパークの桜もお花見しそびれてしまったので、京都の桜を思い出しながら温かいお心にほっと幸せな気持ちになりました。

2012年4月7日土曜日

リサイタルのお知らせ

4/29(日)7:30pm @ Mannes Concert Hallにて卒業リサイタルをします。
プログラムはバイオリン・コンチェルトの初演を含め、室内楽、ソロ、声楽曲を予定しています。
もしご都合会う方あれば、ぜひいらしてください。

今はといいますと演奏者探しにあけくれながら、まだまだ作曲をしております。。。

ところでこの前作曲科の友達と、作曲するのが好きかどうかという話になりました。
彼は「僕は作曲するのは好きじゃない。君だってそうだろう?」と言われて、そうなのかな?と思いました。
なんせ学期末の今の時期は皆色々なストレスにさらされているので・・・。彼も本気で言ったのではありませんが、何か耳に残りました。確かに作曲している時は楽しい時より苦しい時の方が多いかなあとも思います。名曲を聴いては、比べて自分はなんて未熟なんだと自暴自棄にもなります。でも作曲するのは、曲が完成した時や初演の時の充実感、またその結果得られる報酬からではなくて、やはりその行為自体から得られる楽しさからなんじゃないかなと思います。音の世界の中で自分の限界を広げる旅に出るようなもので、今は実感できていないとしても、本当は楽しくてしょうがないようなものなのではないかと。。。

もっと経験を積んで、新しいものを発想する為の思考が無駄なくプロセスできるようになったら、そういう楽しみの方にもっとフォーカスしていけるのかなあなどとも思ったりもしますが、これも曲を思うように仕上げられないことからの現実逃避の一環です(汗)
来週は卒業試験のため一週間クラスがないので、ほんとに集中して作曲に取り組みたいと思います。。。

2012年4月1日日曜日

バイオリン・コンチェルト

ようやく、今週バイオリン・コンチェルトが書き上がりました。
約6分弱のこの曲を書くのに、かれこれ5ヶ月もかかってしまいました。。。それでも、今回は何度も途中で大幅に書き直したり、今までの自分の課題にじっくり取り組めたのでラッキーだったと思います。

初めはソロ・バイオリンを女王に見立てて、卑弥呼が儀式を執り行っているようなイメージで書き始めたのですが、最終的には天界から天子が降りて来て、人の世で様々の経験をしてまた天界に戻って行くようなイメージに落ち着きました。ファンタジーなことを言っておりますが(汗)いずれにしても、書き始めにはそういうイメージがとっかかりになるものの、曲が進んで来ると、その曲としてなるべき姿というのがきっとあって自分はそれを探しているに過ぎないんだなという気がしてきます。

そしてまた、作曲家というのは、どこか魔法使いと似ているのだなあとも思います。
見習いのうちはいくら杖を振っても何も起こらなかったり、逆にまぐれで動き出してしまった魔法をコントロールしきれなかったり。。。自分で意図した効果を杖の一振りで起こせるような魔法使いに、早くなりたいです。