2012年5月21日月曜日

卒業

おかげさまで、先日無事卒業式が終わりました。
こちらからの近況報告もままならないままにもかかわらず、先日のこのブログの記事を読んで親しい方々から何件もメールやメッセージを頂いて、本当に幸せでした。ありがとうございました。

卒業式は、ひたすら楽しかったです。心の中にはどこかアメリカに来たことがすべて勉強で、ニューヨークという街全体が学校、という気持ちがあるので、この次自分がどう生きていくかが決まるまではまだこの旅が終わったとは思えないでいるのですが。。。それでも1つの区切りを迎えられたのだと思い、一緒に卒業してゆく友達と楽しい時間を過ごせました。

卒業した今こそ、ここに引用させて頂きたい詩があります。谷川俊太郎さんの詩集「はだか」より「さようなら」とその英訳です。留学を決意したときのこの気持ちを今日まで忘れたことはなく、これからも自分を励まし続けてくれると思います。


Goodbye 
from"NAKED"
Tanikawa Shuntaro
Translated by William I. Elliott and Kazuo Kawamura
I have to go now, 
right now,
but don't know where.
Cherry trees bloom along the street.
I cross when the light turns green,
the familier mountains beyond as my guide.
Have to go by myself
but don't know why.
I'm sorry, Mom.
Treat Dad nice.
I won't gripe about food
and I'm going to read more than I used to.
At night I'll look at the stars,
During the day I'll talk to all sorts of people.
Try to find out what I really like best and
if I do I'll hang on to it and live as long as I can and not be lonely even if I'm a long way away.
I have to go now.

さようなら
谷川俊太郎詩集「はだか」より

谷川俊太郎
ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どこへいくのかわからないけど
さくらなみきのしたをとおって
おおどおりをしんごうでわたって
いつもながめてるやまをめじるしに
ひとりでいかなきゃなんない
どうしてなのかしらないけど
おかあさんごめんなさい
おとうさんにやさしくしてあげて
ぼくすききらいいわずになんでもたべる
ほんもいまよりたくさんよむとおもう
よるになったらほしをみる
ひるはいろんなひととはなしをする
そしてきっといちばんすきなものをみつける
みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる
だからとおくにいてもさびしくないよ
ぼくもういかなきゃなんない

2012年5月17日木曜日

卒業

また非常に間が空いてしまいました。。。今日、卒業式です。

先週金曜日に最後のクラスが終わりました。今関わっている大きなコンサートの準備が佳境を迎え、最後の方のクラスは思うように準備ができないこともあり、自分自身に悔しい思いをすることもありました。それでもこの三年間通して風邪で学校を休んだことはなく、特別な事情なしにクラスをスキップしたこともなく学業を修められたのは嬉しく、応援してくれている両親へ胸を張って報告したいです。

来週も再来週もいつも通り学校に行き、友達にも先生にも会うような気がしています。実際数週間、数ヶ月は学校にも行くだろうし、友達にも会うと思います。でも確実に、来年はみんな違う場所で新しい人生をスタートしているんだなあと思います。無意識に頭の中を「巣立ちの歌」が回っています。

恵まれたチャンスに弱音を吐く事が許されるなら、留学生活はある面では劣等感との戦いでした。できないことに直面しては凹み、少し自信がついたかと思うとそんなものはなんでもないという事実を突きつけられ、時にやさぐれることもありました。それでも、色んな人に支えられやってこられました。このチャンスを与えてサポートしてくれている両親と、支えて下さっている全ての方に心から感謝しています。

2012年5月6日日曜日

卒業リサイタル



先週無事卒業リサイタルが終わりました!終わってからも慌ただしい日々が続き、こちらへの報告が遅れてしまいました。。。

プログラムは以下の6曲でした。

1"In the Ancient Forest" for solo cello (2011)
チェロ独奏のための「古代の森で」(2011)

2. "Daydreams" for solo flute (2010)   
フルート独奏のための「白昼夢」(2010)

3. Violin Concerto No.1 (2012) 
バイオリン協奏曲第一番(2012)

4. Suite for Piano Solo "The days of childhood" (2010)
ピアノ組曲「子ども時代の日々」(2010)

5. Piano Trio No.1  (2009)            
ピアノ三重奏第一番(2009)                                 

6. Songs of Walt Whitman (2011)
ウォルト・ホイットマンの詩による歌曲(2011)

約一ヶ月前から本格的に演奏者を探し始めて、演奏者の予定が合わなくてプログラムも二転三転したりしましたが、結局この6曲に落ち着いてよかったなあと思います。生まれて初めてのリサイタルで色々と欲張りたくなる一方、「自分ががんばらないと、演奏者もお客さんも誰もいない!」というプレッシャーの中で常にやや不安でしたが、色んな人に助けてもらって無事に演奏会を開く事ができてとても思い出深い一日になりました。

本番は曲それぞれに「次はどう演奏してくれるのかな?」と私自身とてもわくわくして聴いていて、自分の曲ながらちょっと人ごとのように楽しかったです。終わってから小さなレセプションをしたのですが、そこで色々と聴きに来てくれた人からフィードバックを貰って、中でも同じ時期にアメリカに来た友達が「三年前にはこのプログラムに載っているどの曲もまだなかったし、演奏してくれたどの演奏者も知らなかったんだからすごいことだよね!」と言ってくれて、本当にその通りだなあと感慨深く思いました。

リサイタルが終わって感傷的になっている間もなく、友達の主催する大きなコンサートの準備の手伝いを初めて一週間があっという間に経ちました。少し残念なような、でもこれもいいのかもしれないなとも思います。あと一週間で学校が終わるのが信じられないのですが、最後まで忙しく過ごせるのはありがたいことと思ってがんばります。遠くからも応援して下さっている皆様も、どうもありがとうございました。またリサイタルの音源などこちらでも紹介させてもらいたいと思います。