2017年3月30日木曜日

幻想曲「信濃の国」


またまた間が空いてしまいました。

3月は前回の投稿でお知らせさせて頂いた"The Gray Wolf"の初演も含めて、様々な作曲や作品発表の機会に恵まれとても充実していたのですが、ようやく一連のプロジェクトが一段落するという直前にまさかの風邪をひいてしまい、数日前にようやく復活してきました。季節の変わり目、皆様もどうぞご自愛くださいませ。。

これから少しずつ、3月の活動の成果をこちらでご報告させていただきたいと思います。今日はまず最新の音源をご紹介させてください。

幻想曲「信濃の国」
原曲: 北村季晴作曲「信濃の国」(長野県県歌)
クラリネット:伊藤優美 ピアノ:斎藤誠二



長野県出身のクラリネット奏者の伊藤優美さんから委嘱を頂き、長野県の県歌である「信濃の国」をもとに、クラリネットとピアノの為の幻想曲を書かせて頂きました。

長野県民の皆様に大変愛されている「信濃の国」に対して曲を書かせて頂くのは大きなプレッシャーでもありましたが、伊藤優美さんの美しいクラリネットの音色を想像しながら楽しく書かせて頂くことができました。

この音源を初めて聴かせて頂いた時には、想像していた以上の伊藤さんの優雅なフレージングにため息が出、斎藤誠二さんの的確かつ表現豊かなピアノにも惚れ惚れとしました。お二人で曲をメリハリのある立体的な演奏に仕上げてくださっていて、とてもありがたく思いました。

ウェブサイトへの公開の許可を頂きましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。お楽しみ頂けたら幸いです。

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この曲は明日土曜日に長野市芸術館 リサイタルホールで行われる「伊藤優美 & 粟生田直樹 クラリネットデュオコンサート」でも演奏していただけるそうです。多彩なプログラムを準備されているそうなので、素晴らしいコンサートになること間違いなしです!お近くにお住いの方はぜひ。

2017年3月7日火曜日

The Gray Wolf


気がつけば2月は一度も投稿せずに終わってしまいました。。。先月は、ありがたいことながら作曲関連の締め切りが複数重なり、本当にあっという間に過ぎてしまいました。

作曲の内容は、ミュージカルの歌、クラシック的な器楽の作曲、クラシックの室内楽の作曲、と異なるタイプのものだったので、時間に追われると同時に頭を切り替えるのに苦労もありましたが、追い詰められたからこそ登れた山もあったように思います。

今週はそのうちの一つであるクラシックの室内楽、以前にも少しご紹介させていただいたPiano Quintetの初演があります。下にポスターを貼らせて頂きます。



曲名は"The Gray Wolf"で、George MacDonaldの短編小説 "The Gray Wolf"(邦題は「狼娘の島」)に着想を得た5楽章構成の標題音楽です。George MacDonaldのお話に音楽を書くのは二度目なのですが(一作目は"The Light Princess"に着想を得た"The Light Princess Suite"でした)、前回は空想的なお話だったのに対して、今回はミステリアスで暗い世界観の、かつ本当にあった出来事のように語られる物語なので、できるだけすべてのエピソードを割愛せずに音楽で語るべく取り組みました。

また今回はListen Closely Inwoodという、お世話になっているコンサートシリーズからの委嘱という形で作曲させてもらったので、作品を書くプレッシャーをいつも以上に感じていたのですが、先日初めてリハーサルに参加し、演奏してもらうのを聴いて少しほっとしました。素晴らしい演奏者は引き出しも多く懐も深い、ということに改めて感じ入りました。

お話の内容や、作曲の際に考えたことなどについても、また追い追いこちらで語らせていただけたらと思っています。