今日は少しピアノティーチングのお話をさせてもらいたいと思います。個人で教えているのですが、アメリカに来る前から合わせると早いもので今年で16年目になります。初心者の生徒さんを教えさせてもらう機会が多かったので、所有する導入のテキストも増えてきました。
写真に写っている6シリーズはアメリカではかなりメジャーなものだと思うのですが、それぞれのメソッドに少しずつ個性はあるものの、基本的には鍵盤上の黒鍵の認識から入ってファイブフィンガーポジションの音を少しずつ紹介し、音名入りの音符を読むところから楽譜を読むところに導入していく、というものが多いように思います。
ただ、ここ最近オンラインで全くの初心者の生徒さんを教えさせてもらうことになり、教材を工夫しているうちに思うところがありました。これまでのピアノテキストは、当然といえばそうなのですが、基本的に対面レッスンを前提に作られているということです。
対面であれば、先生が伴奏をして一緒に弾くことができるので、「ドードードーーー」といったとても単純な課題でも音楽的な体験をすることができます。ただ、今のところオンラインレッスンで合奏することは難しいのが現状なので(既に可能なプラットフォームもあるかもと思うのですが、少なくともZoomではまだうまくいきません。。)合奏を前提とせずに、初心者の生徒さんが初めから自分のパートだけで「楽しい」と思える独自教材の工夫を重ねています。
今試みているのは、音名の認識より先に指番号を定着させ、ステップとスキップの概念を鍵盤上及び楽譜上で導入してしまってから、ステップとスキップだけでできている曲を次々に自分で読んで「弾ける」という経験をしてもらうことです。生徒さんの年齢やタイプにもよるのでまだ試行錯誤中ですが、初回から「曲が弾けた」という成功体験をしてもらうことはモチベーションの維持には特に良いように思います。
それにつけてもベートヴェンのOde to Joy(歓喜の歌)に感謝が尽きません。ステップとスキップが混じり合った曲はいくつか見つけることができるのですが、ステップと同音だけでできていて、かつ十分に個性のあるメロディーは今のところ他に見つけられていないので。。。
これまでの生徒さん一人一人から学んだことを活かして、より良いレッスンにできるよう工夫していきたいと思います。