先日の最終作品発表の際のビデオがYoutubeにアップロードできましたので、その中から二曲ほどご紹介させて頂きます。今日は一曲目の"Down The Track(線路を下って)"を。
この作品はゲイル・ツキヤマによる「The Samurai's Garden(侍の庭)」という小説を原作としています。
時は1936年。作品の早い段階のこのシーンで私たちは、香港の狭苦しい街の中で17歳のスティーブン・チャンに出会います。
この歌の直前に、スティーブンは彼の進学先が、彼の望んだ遠方の美術学校ではなく、香港にほど近い標準的な大学に決まったという知らせを受け、落胆しました。妹のペネロペが、彼の気持ちを和らげようと、あまり役に立たないことをします。
意訳ですが以下に日本語訳を載せさせて頂きます。お楽しみ頂ければ幸いです。
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ペネロペ「お兄ちゃんはもうずっと父さんの下で働くしかないんだわ。一生!だって他になんにもできやしないんですもの。」
スティーブン「言ったな、僕が他に何をするか見てるがいいさ。」
ペネロペ「口ばっかり。」
”線路を下って”
スティーブン「いいや、口だけじゃないさ。見てろ、僕は香港を出て行くんだ。母さんや父さんも今にわかる。僕はRMSエンプレス・オブ・ブリテンに乗って船出するんだ!それか、パンナム クリッパーに乗って飛び立って見せる!」
♪
スティーブン
もし僕が汽車になれるなら、話は簡単さ
さっさと出発して
線路を下って行くんだ。
風はひゅーひゅー鳴って
目の前に曲がりくねった道が
どんどんほどけて行く
線路を下っていくだけで。
閉所恐怖症とはおさらばさ!
誰かブレーキを外して
火を焚いてくれ。
木々は一斉にぼやけて見えるかもしれない、
だけど一瞬にして僕の道は開ける。
ここを離れて
線路を下って行く程に。
(ペネロペ笑い出す)
スティーブン「わかったよ、何がそんなにおかしい?」
ペネロペ「お兄ちゃんが。」
スティーブン「僕?」
ペネロペ「バカじゃないの。汽車になんかなれるはずないじゃない…」
♪
スティーブン
汽車になったらその次は、最高に魅惑的な場所を訪ねるんだ
線路を下って。
ペネロペ
線路を下って。
スティーブン
万里の長城やタージ・マハルそしてパリのルーブル美術館が
待っている。
線路を下ったすぐそこで。
ペネロペ
線路を下ったすぐそこで。
スティーブン
退屈とはさよならさ。僕には冒険が必要なんだ。
決して飽きる事のない。
この場所はとてもついてこれないのさ。
新しい境界線のもつ興奮に
スティーブン&ペネロペ
ここを離れて線路を下ったすぐそこの。
スティーブン
そして僕が、
ペネロペ
そしてお兄ちゃんが、
スティーブン
地上を駆け抜け、有名な地を見届け、
走って行くにつれ、
君にも聴こえるだろう!
ペネロペ
聴こえるでしょう!
スティーブン
僕の汽笛で大気を満たし静かな空を切り割いて行くんだ。
そして一瞬にして
ペネロペ
一瞬にして
スティーブン
僕は向こう側にいる
ペネロペ
向こう側にいる
スティーブン
地球の向こう側に!
ペネロペ
地球の向こう側に!
スティーブン&ペネロペ
行き先なんてどこでもいい!
スティーブン
たった1つだけ探しているものがあるんだ。どこかにあるはずなんだ。
僕が自分の道を見つけて
頑張り通せるような居場所が
線路を下ったどこかに。
ペネロペ
線路を下ったどこかに。あるかもしれない。
スティーブン
きっとあるはずだ。ここを離れたどこかに。
ここを離れたどこかに。
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