2016年4月29日金曜日

散文:やさしい空似


多かれ少なかれ

新しく出会った人々の中に、
街で見かけた人々の中に、
親しい人の面影を見ることがある。

そっくりでないからこそいい。
ほんの少し存在を身近に感じられるぐらいが丁度良い。

そうやって一緒に生きて行く。

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初対面の人から「知人に似ている」と言われることがよくあるのですが、最近は自分も人に対して、「あの人に似ているなあ」と思うことがあります。その人に会うたびに、似ているもう一人の方の人にも会えたような気がして、じんわりと温かい気持ちになります。他人の空似とはやさしい現象だなと思います。

2016年4月26日火曜日

地下鉄にて


先日地下鉄の中で、心温まる場面に出会いました。

私は本を読んでいたのですが、左の方の席には乳母車に乗せた男の子を連れた若いお母さんが座っていました。お母さんは、はじめは笑顔で男の子をあやしていたのですが、ふと気がつくと何か大声で言い聞かせているようでした。一生懸命そうなのですが、どうも思うようにならず焦っているようにも見えました。

次の駅で、今度は和やかな家族が乗ってきて私の前の席に座りました。お母さんとお父さん、そして幼稚園と小学校くらいの年齢の二人の女の子です。お母さんはいわゆる肝っ玉母さんという感じで安心感があり、子どもたちは朗らかで、そしてお父さんは穏やかでした。

左のほうのお母さんは、その後ますます男の子を持て余してしまったようで、しばらくすると再び大きな声が聞こえました。すると、前に座っているお母さんが少し間を置いてから、その若いお母さんに向かって穏やかに「神様のご加護がありますように。素敵なお子さんね!」と声をかけたのです。

若いお母さんの方を見ると、本当に嬉しそうな、誇らしそうな顔をしていました。がんばっていて、でも思うようにならなくて、そんな時にかけてもらったその一言がとても響いたように見受けられました。

すると前に座っていた小さい方の女の子がすかさず「その子はまだ赤ちゃんだからね。私なんてもう4歳なんだから。4歳なんだから、4歳なんだから、4歳なんだから!(本当に4回言っていました)」と言ってさらに和みました。

お母さん「ほら、この子ったらやきもち焼いちゃってるのよ(笑)」
    「(女の子に向かって)彼、かわいいねえ。」
女の子「かわいいねえ。」

そして次の駅で、再び若いお母さんと男の子のほうに向かって「バイバイ、かわい子ちゃん。お母さん、気をつけてね。」と声をかけて、お母さんとその一家は降りて行きました。

色々と感じ入る出来事でした。

2016年4月22日金曜日

"Cape Roca" Video


昨年出版されたCDに収録されている、チェロとピアノのための"Cape Roca"のビデオが、I CARE IF YOU LISTENというニュー・ミュージック専門のブログに取り上げてもらえました。

取り上げてもらったのはビデオ部門なのですが、そこではオンライン上で見つけた質の良いニュー・ミュージックのビデオを集積していくことが目標らしく、選んでもらって嬉しいです。

以前にもご紹介させていただいたビデオですが、もし良ければまたご視聴いただけたら幸いです。

2016年4月19日火曜日

予備投票



昨日は穏やかな良い春の日で、ビル街の中の公園でも人々のゆったりした雰囲気が感じられました。そして今日はニューヨーク州で大統領選に向けた予備投票が行われています。「投票した」という知人の声をよく聞きました。

2016年4月16日土曜日

願い


次々入る地震のニュースに心が痛みます。

どうか被害がこれ以上広がらず、
被害を受けた皆さんの生活に1日でもはやく
安心が戻るようにと願っています。

2016年4月13日水曜日

キアヌ



四月の初め頃から、地下鉄のホームにこのハンサムな猫のポスターが登場し、初めて見た時には思わず二度見してしまいました。




「キアヌ」という映画のポスターで、検索してみたところ、そのかわいさのために誘拐されてしまった子猫キアヌを取り戻すため、主演の2人が麻薬のディーラーに扮して麻薬組織に潜入するというコメディー映画のようです。




こちらは別バージョンのポスター。


コメディーとはいえ、麻薬組織やディーラーといった世界を描くため荒っぽい表現も多そうで、残念ながらファミリー向けの映画ではないかもしれませんが、その発想とポスターのセンスにはやられたなあという感じです。

チューリップ




一時すっかり春になったと思ったのですが、その後またしばらく寒さが戻り、毎日どういう服装で出かければいいか迷う四月のニューヨークです。昨日もしとしとと小雨が降り、「そろそろ大丈夫かなあ…」と咲きそうな街頭のチューリップが健気でした。