2013年9月26日木曜日

作曲考

昨日は尊敬する作曲の先生のリサイタルがあったので、久しぶりに新曲ばかりのコンサートを聴きに行ってきました。

どの曲も素晴らしくてとても刺激になったと同時に、作曲ということについてもまた改めて考えるきっかけになりました。

思ったのですが、曲が演奏される直前、お客さんの中にはこれからどんな音楽が始まるのかまったくわかりません。演奏者がステージに上がってから弾き始めるまでの間、この楽器編成で一体どんな曲を聴かせてくれるのだろうとわくわくします。

作曲家が編成を書き始めるときも、少しそれに似ているなと思います。作曲家自身にも、一体これから書こうとしている曲がどうなるのか、まだはっきりとはわかりません。何もないところから人を楽しませる何かを作り出す、その過程に時差はあってもとても似ていて、いずれも期待と緊張の入り交じるタイミングだなと思います。

もう1つ聴いていて思ったのは、アイディアが浮かんだとして、それを説得力をもったエンターテインメントに仕上げるには、作り手側に大きなキャパシティーが必要なんだなということでした。

変な例えですが、「綱渡りをして見せたら、みんな喜ぶかなあ。」と思ったとして、実際やってみて無事に綱を渡りきれるかどうかは別問題ですし、事故を起こしてしまっては自分もお客さんも困ります。ちなみに昨日の先生の場合は、綱の上を巧みに歩きながら尚かつ華麗にジャグリングまでされておられ(るように感じられ)ました。

精進したいと思います。

2013年9月22日日曜日

ご報告

先日ついに移民局から、申請していたビザの許可が下りたと連絡をもらいました。これから一時帰国をして大使館での面接があるので気は抜けませんが、ひとまずアメリカの移民局に認めてもらった事がとても嬉しくほっとしています。

今まで、こんなにたくさんの人に力を貸してもらって何かを成し遂げたことはなく、あらためて感謝の気持ち一杯です。これからNYでの活動を通して、少しずつでも恩返しして行きたいと思っています。

ブログを通して応援して頂いた皆様も、本当にありがとうございました。
日本での面接に向けて気を引き締めて参りたいと思います!

2013年9月17日火曜日

"タイトルをつけてみよう!"


コンサートのお知らせをさせて下さい。11月10日(日)に京都コンサートホール(ムラタ)で開催される、若手作曲家による作品演奏会に出品させて頂けることになりました。コンサートのでの作品初演の後、お客さんにタイトルをつけてもらおうという意欲的な企画です。

私自身渡米後初の日本でのコンサートとなりますのでとても楽しみで、帰国の時期はまだはっきりしていませんがコンサートには参加したいと考えています。

まだ手持ちのチケット等はないのですが、またわかり次第ご案内させて頂きたいと思います。たくさんの皆様にお越し頂ければ幸いです。

音楽の仕事

昨日は教会のオルガニストのサブ、今日は故人の方を偲ぶ会でのピアノ演奏の仕事に行ってきました。現状では楽譜を作るよりも演奏の仕事の方が機会が多いので、できる限り受けさせてもらうようにしています。

音楽の仕事についてはよく考えるのですが、音楽家を相手にする仕事と、一般の人を相手にする仕事の二つがあるなと思います。前者はオーケストラの中で弾くとか、ピアニストとして歌手のコーチングをするとか、最終的にはお客さんやクライアントにプロダクトとしての音楽を届けるとしても、リハーサルの段階では音楽家同士でやりとりをします。それによって緊張感があったり、学ぶ事があったりします。一方後者は教会やイベント等で一般の人と直接やりとりをして音楽を提供するというもので、こちらも自分が音楽家を代表しているような緊張感があります。

アメリカ(とくにNYかもしれませんが)では、後者の仕事が多いおかげで音楽で仕事をしていける可能性が大きいと感じます。教会はたくさんありますし、儀式には音楽がかかせません。何かイベントをしようとなった時に、一般の人も知合いをたどれば1人や2人は音楽家が見つかるもので、「じゃあ頼もう」と気軽に雇ってくれます。生の音楽も、音楽家もこちらでは生活の中で身近なんだなあと思います。

ただその一方で、音楽家も技術職であるにも関わらず、アーティストなら発表する機会自体が本人のメリットにもなるだろうと、技術料や労働時間に対する適正な対価が払われにくいということが問題にされるようになってきました。音楽(エンターテインメント)が医療や法律のようには生活や人生に対する優先順位が高くないので難しいですが、仕事として成り立って行くように社会に少しでも働きかけていきたいなどと思うと、一般の人を相手にする後者の仕事をする時にはより気を遣う気もします。

*固い文章になってしまいました。。。そして台風18号で被害を受けられたみなさま、お見舞いもうしあげます。

2013年9月12日木曜日

レコーディング・セッション

以前音楽助手をさせてもらったThe Sweethearts of Swingが、プロモーション用のデモ録音をするにあたって私も再び助手に雇ってもらえたので、ここ数日レコーディング・セッションに立ち会ってきました。

今日はビッグバンドの曲中のソロ部分の録音があったのですが、圧巻でした。作曲家のイメージの注文に即座に反応して、何パターンでも違う魅力的なソロを決めてゆくブラスプレーヤー達・・・。

気の遠くなるような場数を踏んで来たプロのプレーヤーの身体の中には、もう音楽が揺るぎなく入っているんだなと思いました。

大きなプレッシャーのかかる本番でベストな演奏をするという面では同じながら、楽譜がないところでこそ音楽家としての真価が問われるジャズと、楽譜を如何に的確に読めるかで問われるクラシックの方向性の違いは面白いなあと思いました。

2013年9月7日土曜日

近況

ここ数日で色々と仕事が一段落し、ちょっとほっとした気分で近況のご報告をさせてもらいます。

一昨日、ようやく新しいビザへの申請手続きを完了できました。2月上旬から本格的に準備をはじめ、ここまで来るのに半年以上かかりました。たくさんの人に様々に助けてもらって応募することができて感謝の気持ち一杯です。そしてようやく少しほっとした気分です。1ヶ月以内をめどに結果が通知される予定です。

昨日、BMIの主催する「ミュージカル作詞家/作曲家の為のワークショップ」のオーディションに行ってきました。友人の歌手の助けを借りて、6人の審査員の前で三曲ほど演奏したのですが、カジュアルな雰囲気だったので気負うことなくプレゼンできました。日本では面接やオーディションというと「プレッシャーの中でどこまで本領を発揮できるか」を見るというイメージがあるのですが、アメリカでは「最大限力を発揮できた場合どれぐらいできるのか」を見よう、という雰囲気があるのかなと思いました。

今日は、Songs for Hopeという9.11を追悼するコンサートでミュージカルソングのピアノ伴奏を弾いて来ました。9.11を題材に書かれた歌や、NYについて歌った歌等、演奏していて色々感じ入るところもありました。ミュージカル曲の伴奏では、かなりテンポを自由に揺らす曲や、逆にドラム等リズムが入って終始安定している曲など、クラシックの伴奏とちょっと違うなと思うところもあります。本職のピアニストではないですが、積極的にピアノスキルを磨いて、機会がある限り役立てていきたいなと思います。

今晩はそういう気分だったので、少しお祝いに1人ダイナー(ファミレスのような気軽なレストランです)に行って来ました。チップもかかるので普段一人では行きませんが、コンサートが終わったり何かの区切りを祝うときだけは良いことにしています。とてもリラックスしました。

2013年9月3日火曜日

散文:親友


おれはおまえのために何でもしてやりたい

おまえはおれがつらいとき
何も言わないでも気がついて
手を差し伸べて救ってくれた

おれはそこまで大人じゃないが

いつかおまえのために何でもしてやりたい

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9月早々「漢(おとこ)」調の散文になってしまいましたが(実は若干の照れ隠しです)。。。いつも支えてくれる友達に感謝の気持ちを込めて書きました。

ようやくビザの手続きの方も後一息というところまで来て、今月こそは色々と変化の月になるかなと思っています。気を引き締めつつ大事に進んでいきたいと思います!