2013年7月31日水曜日

やる気を出す秘訣2

向上心というのは「これがしたい、ああなりたい。」という、「欲」が原動力になっていると思うのですが、その過程であまり自分の思うようにがんばれないことが続くと、やる気そのものが出なくなってしまい、しかも何をしたら気分転換になるのかもわからないという時があります。

そういう時にはどうやら、簡単な欲を取り戻すことが立ち直る近道になるようです。

先日まさにそういう状況に陥ってしまい一体どうすればいいのだーとなった時、ひとまず近所のスーパーに行ってみました。家にいても別にお腹は減っていないし、食べたいものもないと思っていたのですが、実際にスーパーに並んでいるおいしそうなものを見るうちに、「今これを食べたらちょっと幸せかも。」と食欲が戻ってきました。

そうしてちょこっと買って来たおかしなどを食べ終わった頃には、さっきまでの憂鬱な気分がうそのように晴れていてびっくりしました。

気分というのは難しいようでいて、ときどき意外に単純でもあるようです。

2013年7月28日日曜日

ポートフォリオ

すこし間が空いてしまいました。ここ数日はNYも不思議に涼しく、過ごしやすい日が続いています。昨日はようやくビザ申請の為に作ってきたポートフォリオを弁護士さんにお預けしてきました。


このような厚めのフォルダーで、中身はこのように


新聞記事やウェブサイト、雑誌等に載せてもらったページのコピーとその英訳、名前の載っているコンサートプログラムや出版してもらった楽譜の写しなど、これまでの音楽活動の記録を詰め込んでいます。

実際の申請にあたってはこの他に、推薦状や仕事の依頼書、今後三年間の仕事計画書、演奏記録、雑誌記事リスト等を合わせて提出します。

まだこれからいくつかの手続きを控えていて、実際に申請するまでにはまだ少し時間がかかりますが、自分で準備できるところは一段落したなと思って少し落ち着いた気分です。

ここにいたるまで、弁護士さんやスポンサーさんをはじめ、手紙を書いてもらったり、コンサート等の機会をもらったり、英訳を手伝ってもらったり、本当に数えきれない人に親切に助けて頂いて、どのお助けがなくてもここまで辿り着かなかったなと心からありがたく思います。もしこちらにもう少し残れることになったら、少しずつでも恩返ししていきたいと思うのですが。。。

ともかく今は、目の前にある目標に黙々と取り組みながら申請の準備を進めたいと思います。

2013年7月19日金曜日

散文:カプチーノ


カプチーノは一人で飲む
背中を丸めてしみじみと

その味わいとの対話に
気を張る必要はなく

何口かすすっては
ふうとため息をつく

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ビザの申請の為に過去のプログラム等をポートフォリオにまとめたりもしているのですが、すごい量のコピー作業を伴います。今は大分落ち着いてきたのですが、先々週あたりは毎日コピー屋さんに通って、一番長い時で3時間印刷し続けた日もありました。そしてその近くにちょっと美味しいコーヒー屋さんがあるために、帰りには「ごほうび。。。」とばかりに時々寄っては、散文のように思い切り肩を落としてカプチーノを堪能しておりました。
がしかし、今週というのはもうとてもホットのカプチーノを楽しめる気候ではなく、NYは茹だっております。。。これはもう「麦茶」「グリーンティー」「カルピス」で乗り切る他はなく、今日は日本系のスーパーに行ってカルピスを買ってきました。帰ってさっそく冷たい水で割って飲むと、おいしい。。。この暑さ、乗り切れそうです。

2013年7月18日木曜日

公演

ミュージカルのリーディングが昨日無事に終わりました。俳優組合の規定で、今回の舞台の公演条件では最大29時間しか俳優さんを拘束できないために、集合日から本番までが一週間以内に起こるというすごいスケジュールでしたが、素晴らしい公演になりました。

見ていて胸が張り裂けそうになるシーンも含めて、キャストからは「伝えなければ」という使命感が感じられ、残酷な悪役、壮絶な最後を遂げる若者、悲しみに打ちひしがれながら立ち上がる女達。全員がそれぞれの感情を最大限に演じていました。一方同じく舞台上でバンドとして演奏するミュージシャン達は、細やかにそのドラマに寄り添いながらも終始冷静に音楽で支えました。公演が終わると、製作陣は観劇していた関係者に対応し、stage managerと私は舞台に駆け上がり撤収準備に奔走しました。舞台制作とは本当に役割分担だなと思います。

助手の仕事もまだ手探りのことが多く毎回凹みますが、本番を迎えるといつも誇らしく、やはり舞台が大好きで、そしてそれを裏方として支えることにやりがいを感じるなあと思います。作曲家、編曲家、音楽監督、稽古ピアノ、ミュージシャン、写譜屋さん。。ミュージカルに関わる様々な音楽の部門の中で、自分が最終的にどこに向かおうとしているのかと模索しつつも、機会を頂けるごとに成長していきたいです。

2013年7月15日月曜日

"The Sweethearts of Swing"

現在Music Assistantをさせてもらっているミュージカルですが、タイトルはThe Sweethearts of Swingといって、1940年頃に実際に存在した非白人女性による初のジャズ・スウィング・バンドを題材に、そのバンドに唯一参加した白人のトランぺッターを主軸に、当時の理不尽な人種差別の時代の中で、生きるために耐えようとした人々と、自分の情熱に生きる為に抗った人々のぶつかりあいが、それぞれの壮絶な生き様を通して描かれます。

台本を読みながら、女性にとって音楽を仕事にするということが家族や命まで犠牲にしなければならないほど、こんなにも難しい時代があったのだと感極まりました。

キャストも、バンドメンバーも人種によってキャスティングされているので、自分たちの物語だという重みを感じます。私も、日本人としてアメリカにいる自分について改めて考えさせられました。

火曜日にstaged readingの本番がありますが、これからますます大きくなっていって欲しいミュージカルです。

2013年7月13日土曜日

"音で奏でる世界旅行"


東京でとても素敵なコンサートがあるそうなのでお知らせさせて下さい。
ジュリアード音楽院の卒業生による、世界各国の曲を取りあげたコンサートです。私がNYでお世話になっている方も多数出演されています。東京にお住まいでお時間があられる方はぜひお運びになってみてください。詳しい情報はこちら↓です。

音で奏でる世界旅行 from New York to Tokyo 第3弾
ジュリアード音楽院卒業生が贈るクラシック音楽の旅

東京 サントリーホール(ブルーローズ・小ホール)
7月23日(火)18:30 開場 19:00 開演
チケット:一般 3,000円、学生 2,000円
ホームページ

2013年7月12日金曜日

やる気を出す秘訣

一人暮らしの場合、そのひとつは「家事」だなあと思います。

様々な理由で現実逃避してしまっているとき、そして忙しさの為に生活が犠牲になっているとき、どちらも「なにか攻め込まれている。。」という気持ちになります。

そういう時はなかなか防戦一方で攻めに転じにくいのですが、後になってどうやって抜け出せたか考えると、どんなに小さなことでも自分自身に「自分、負けてないぞ!」という姿を見せられたことがきっかけのような気がします。

特に床掃除、お皿洗い、洗濯等の、とりかかりさえすればやりとげられる家事をこなす事で、「こんなにホコリがとれた!」「お皿を全部かたづけた!」「大量の洗濯物を畳み切った!」等という小さな達成感を味わうことができて、それが転じて自分のやるべきことや目標に対して「攻め上がる」ための第一歩になることが多い気がします。

家事が滞ると生活が荒む反面、家事をこなすことによって元気を取り戻せるというのは、なかなかの自家発電というか、よくできているなあと思います。

今日はソファーカバーを久しぶりに丸洗いして、そんなことを考えました。

2013年7月11日木曜日

阪急電車

『阪急電車』という映画の中で、玉山鉄二が演じていた遠山竜太という人物がいるのですが、彼は初対面の人によく「どこかで会いましたよね?」と言われるというのです。

それを見て初めて「仲間がいた!」と思ったのですが、私も割とそうなのです。昨日も、今度お手伝いする小さなミュージカルの初リハーサルに行って自己紹介をすると、「なんかすごい見た事ある気がする。。」とサックス奏者に言われました。

これで、アメリカに来てからだけでも4人目、日本にいた頃から数えると8人目くらいになると思います。「旅行先の沖縄で出会った兄弟にそっくりだった。お兄ちゃんかと思った。」「(高校の)3年にてっきりお姉ちゃんがいると思ってた。」と、特にその人の中で誰のことかわかっている場合はまだいいのですが、「去年のどこどこのサマーキャンプに行ってたでしょ。」「どこどこの学校に行ってたでしょ。」と明らかに人違いだろうなという場合も多いので、一体どういうことだろうな〜。と思っていました。

しかしこの前、そのようなシチュエーションで相手がどうしても気になって思い出してくれました。「思い出した!どこどこで出会ったなになにって人のことだった!でも不思議なんだよ。思い出してみると、そんなに君と似てないんだ〜(笑)」そうなのです。映画の中で遠山君も同じようなことを言っていましたが、実際その人の写真等を私が自分で見てみても、そこまで似てるとは思わないのです。

毎回不思議な気分になりますが、でも少なくとも初対面の人にその人の知合いに似てると言われると、多少親しみを持ってもらっているようで悪い気はしません。遠山君に至っては「うちで飼ってる犬に似てる!」とすら言われたことがあると言っていた気もしますが・・・、宮本信子演じる萩原時江さんに「それだけ親しみやすい雰囲気を持っているのよ。」と諭されていたので、私もそのように思っておこうと思います。

2013年7月7日日曜日

散文:いちばん大切なこと


人生最大のピンチに対峙した時
「果たしてこれを乗り越えられるのだろうか」
と絶望的に思う。

けれど人生全体から見ればそれも
ひとつの大きな通過点にすぎないのだろうし
そういう風に思える時がきっと来るのだと思う。

それでいて

どうにかしてこの今を乗り越えない限りは
その未来に辿り着かないのだから
やはり大きなピンチには違いない。

ただ言えることは、それが命に関わる事柄でない限り
たとえ思ったようにいかなくても、死にはしないということ。
むしろそのせいで、命を危険にさらしてはいけない。

どんな時にも人生とは続いていくべきものだ。
良い時も、ダメな時も、幸せに向かって。

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この一週間はほぼアパートにこもってビザの準備をしています。またその様子については詳しく書きたいと思いますが、準備をしながらも色々考えることもあります。ともかくやるべきことをやるだけなので、決して絶望的な気分ではありませんが、また何度目かの人生の転機に差し掛かっているなと、今までにあった色々の出来事など思い出していました。

人生とは結局大ピンチの自己記録更新の歴史だなあとつくづく思います。振り返ってみると「こんな風に大丈夫になるってわかっていれば、あんなに落ち込まなくてよかったのになあ。」と思う事すらありますが、きっとまた更に大きな試練がやって来た時には全力でのたうち回ったりするのでしょう。。。それでも本当にいちばん大切なことは何なのか。少しでも落ち着いて考えられる時にはぜひ、ふと何度でも思い出したいと思います。

2013年7月2日火曜日

たくさんの世界

6月末は完全帰国、一時帰国、別の国への進学を含めて多くの身近な友達がNYを離れました。彼らと一緒に過ごす最後の時間は「ああこの人は国に帰って、ここではない国で、また新しい生活を始めるのだ。」と、私自身の中で整理する過程でもあったなと思います。

「本というものは、読んだらそのまま一言一句記憶されるのではない。読んだ人の中に、その人が一番共感した部分を中心に独自のイメージが構成されるのだ。」と聞いたことがありますが、世界の認識もそうやって、一人一人が個別に作り上げているものなのかもしれないなと思いました。つまり、外の世界で起こったことが自動的に自分の世界で更新されるわけではなくて、事実を知って認識、咀嚼する時間をとらないと、自分の中の世界と外の世界が調和していかないというか。。。理屈っぽくなってしまいましたが、ともかく大切な友人たちを見送ることができてよかったです。

ようやく一人になって自分のプロジェクト(ビザの手続き)に取り組めるようになったのですが、少し疲れが出たのか、それまでの日常のペースからするとかなり作業がスローダウンしてしまっています。遅い自分も受け入れつつ、ともかく手は止めず、なだめたりすかしたりしながらペースを上げていきたいと思います。