2012年12月30日日曜日

雪の夜

昨日から雪が降り、久しぶりにNYらしい厳しい寒さが続いています。

今日は大晦日前夜、玄米茶を飲みながら黙々と楽譜のレイアウト編集をしていると、いつの間にかエンドレスで"My Funny Valentine"を口ずさんでいました。静かな夜です。

今年を振り返ると、いつものことながらどの月の出来事も身近に思い出せて、あまり一年が経った実感が湧きません。春に大学院を修了し、夏にもう一年こちらに残ることに決めて仕事を見つけ、冬の今また来年のことを考え始めています。

来年はビザの切り替えを目指しているのですが、限られた時間の中で新しいビザの申請のための資料をどこまでそろえられるか難しい状況です。時々無性に焦り、人にはわかってもらえないと心の中がハリセンボンのようにつんつんしてしまうこともあります。それでも度々周りの人が、自分が思っていた以上に思いやってくれていることに気づいては、一人でとげとげしていた自分を小さく感じています。

身の回りの世界をもっと信頼する。自分の人生に責任を持つことと同時に目指したい目標だなと思います。

今年も細々ながらの更新にお付き合い頂きありがとうございました。来年も精一杯がんばります。

皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

2012年12月29日土曜日

コーラス

クリスマスもあっという間に過ぎ、すっかり年の瀬になってしまいました。

先週は所属しているコーラスのコンサートがあり、さりげなくカーネギーホールデビューを果たして参りました。

団員のほとんどがミュージシャンでないアマチュアコーラスのため、リハーサルで若干もどかしさを感じたり、本番では変に責任感を感じたり一人で悶々と葛藤したりもしましたが。。。それでもやはりカーネギーホールで演奏できたこと、またオーケストラの伴奏で歌えた事は素晴らしい経験になりました。

今まで合唱団に属した経験がなかったので、リハーサルの様子や、合唱団の運営、合唱好きの人たちのパーソナリティーなど、内側にいながらもフィールドワークのように観察したりしながら色々勉強になっています。

次のコンサートは4月、リハーサルは1月から再開します。

2012年12月18日火曜日

NHKニュース

アメリカに来て4年目になり、生活の中でまだまだ日本との違いを実感することもあれば、知らぬ間に日本に居ない事が日常になっていると感じることもあります。

学校に通っている間はクラスやレッスンをこなすことで目一杯で、あえて日本を外から眺めてみるという余裕もなかったのですが、最近になって毎朝NHKニュースをチェックしたりしています。

なかでも「文化・エンタメ」欄で「行き交う船に乗る人たちほっとしてもらおうと、灯台にサンタさんの顔を描いた」とか「こたつ列車が運行を再開した」とか「北海道から全国にむけて雪だるまの発送準備はじまる」というニュースを見ては、そういう日本人の心意気をたまらなく愛おしく感じています。お金も労力もかかることですが、ささやかに誰かの夢を叶えていて、若干おちゃめで。そこにたくましさも感じます。

大人になってからアメリカに来た事で今こちらで苦労していることもありますが、同時に自分に日本人としてのアイデンティティーがあることをありがたく実感しています。

2012年12月11日火曜日

ピアノ

ついさっき仕事から帰って、今はチーズケーキと紅茶でほっとしています。

ここのところ予定に押し流されておりました。今日はレストランのピアノ弾きのバイトと、ミュージカルシンガーの勉強会の伴奏の仕事が重なったので、練習も含めて朝からほぼずっとピアノを弾いていました。

レストランの方は、先週から時給カバー制度がなくなりました。レストランの事情で、まかないは引き続き頂けるものの時給の保証はなくなり、チップだけで弾く事になりました。困ったことになったと思いましたが、ともかくしばらく様子を見ながら続けさせてもらおうと思っています。先週はオーナーさんが直々にその話をしてくれて厳しい表情でしたが、今日行くと「来てくれてありがとう。」と迎えてくれました。レストランの状況も厳しいのだろうけれど、ミュージシャンの存在自体は必要とされているのを感じて、しかしこちらにもまた生活があり、なんとも言えない気持ちになりました。

ミュージカルシンガーの勉強会の伴奏は、9曲の楽譜を数日前にもらい、必死でさらって弾いてきました。ミュージカルの伴奏をするのは初めての経験ではありませんが、今後こういう仕事を増やしたいと思うと、短期間での譜読みや初見が試されるようでやはり緊張しました。ピアノの練習は時間がかかりますが、楽譜が読める越した事はなく、曲もたくさん知っているべきなので、今の自分には貴重な経験だと思っています。勉強会が終わってお給料を頂くとなんとも励みになりました。

ところで勉強会ではシンガーがお互いに歌い合って、感想やアドバイスを言い合うというものだったのですが、あらためて、音楽家と違う視点で歌を捉えているんだな〜と思って面白かったです。私はピアノを弾きながら、「あ、テンポがちょっと揺れてるな。」とか「すごいフォルテだ。」とか「良く響く声だな〜。」とか思っていたのですが(もう少し専門的なことを考えていたらよかったのですが。。)、シンガー(アクター)達は「その歌はどういうシチュエーションで歌われるの?」「そのキャラクターはどういう気持ちで何を伝えようとしてるの?」という、お芝居の視点で話し合っていました。音楽における客観的な事実「テンポ、ピッチ、強弱、リズム、音色等」といったものに直接アプローチするのではなく、お芝居の視点から変えて行くと言うのは、なんだかもはやカルチャーショックです。コーチングやレッスンなどではもっと技術的なことを習うのかもしれませんが、それでもオペラではもっと発声を中心に作っていくのじゃないかなと思ったり。。。(オペラとミュージカルの違いとして感じることについては、またあらためて書きたいと思います。)そういうこともあり、ミュージカルの現場においては音楽家はどちらかというと「技術者」ともいうべき存在なのかなあなどと思いました。

2012年12月6日木曜日

Face

今日はとても寒い日でした。NYのお天気は日によってまちまちで、つい数日前まで春のように温かかったので殊更寒く感じました。

今日は朝からアッシャーの仕事でした。公立小学校の鑑賞学習で、4歳〜11歳頃の子ども達が次々バスでやってきて、来た順に次々に席に座らせて行くのにてんてこ舞いでした。仕事を初めて4ヶ月になりますが、まだ経験したことのないタイプのイベントがあり、仕事に行ってみて「わあ、今日は大変だなあ。」ということがまだまだあります。

ところで先日はダスティン・ホフマンが初監督した映画の上映会がありました。上映後にインタビューがあったのでご本人も一番後ろの席でご鑑賞だったのですが、まさか本人がそこにいるとは気づかずに、ボディーガードのお兄ちゃんが「This is the guy!」と小声で教えてくれて「まじで!」と驚きました。

映画は年老いた音楽家の為の老人ホームが舞台なのですが、インタビューの中で彼が言っていたことが心に残りました。

"Getting old is a beautiful part of life. You are wearing the mask that shows what the life did to you. Your face is the response to it."

英語もこんなだったか怪しいですが、英語のままの方が感動的だなあと思い載せてみました。日本語に直訳すると、「人生に起こった事は全てあなたの顔に刻まれている。あなたがどのような顔をしているか、それはあなたの人生に対する答えだ。老いるということは人生の美しい側面でもあるのだ。」という感じでしょうか。

いいことを言うなあと思いました。

2012年12月5日水曜日

師走

 前回の更新から1ヶ月近くあいてしまいまして、ご無沙汰しております。

その間どうしていたかといいますと、友人の主催するミュージカルのリハーサルを見学させてもらいに通ったり、サンクスギビングで友人のおばあちゃん宅にお邪魔したり、その他は相変わらずアッシャーとピアノ弾きのバイトをしておりました。
先日はアッシャーの皆でロッカフェラーセンターのツリーを見に行って来ました。人ごみに分け入って行くのは若干疲れましたが、いつも大勢の人を相手に仕事しているもので「少なくとも案内しなくていいし、文句を言われることもない。」と笑っていました。

いつのまにか余裕がなくなって日記もブログも書けなくなってしまいがちなのですが、できれば日々思う事をもう少しまめに書き留めていければと思います。