2014年1月31日金曜日

地下鉄の風景

こちらの地下鉄では親子連れが乗りこんでくると、さっと近くの誰かが席を譲るのは日常的な風景なのですが、この間は私が車両に乗り込むと、目の前に座っていた親子連れのお父さんが私に気付いて、隣に座らせていた小さな娘さんをちょこんと膝に乗せて「どうぞ」と席を譲ってくれました。

若干うまくいかなかったリハーサルの帰りだったので、親子の優しさが身に染みました。たった一瞬交わった人生の中で、見知らぬ人からもらった親切は、実に純粋に励みになるものだなあと思いました。

リハーサルの方は昨日から実際のシアターに稽古場を移しまして、二週間後の本番に向けて更に盛り上がってきました。セット制作も同時に進行していくので、リハーサルに行く度舞台の様子が変わっていて完成が楽しみです。


2014年1月28日火曜日

Website

Ayumi Okada Official Site

この度ウェブサイトをリニューアルしました。このサイトの開設からずっとお世話になっている、notnil creative、およびconcrete5 japan Inc.の菱川拓郎氏に大感謝です。今回"Composition"というページで、これまでの音源やビデオを更に聴いて頂きやすくまとめられたのが特に嬉しいです。今の所ほぼ英語の表記だけで恐縮ですが、いずれ日本語のページも作りたいと思っています。できるだけこまめに更新していきたいと思いますので、こちらのブログとともに時々のぞいて頂ければ幸いです。

2014年1月25日土曜日

通し稽古


今日は初の荒通しでした。歌稽古が間に合っていない曲もあった中、振りや段取りもしながら皆暗譜で歌ってくれていて感銘を受けました。課題はたくさんですが、舞台稽古に入るまでの限られたリハを大切に取り組んでいきたいと思います。(写真はある日の歌稽古の様子です。)

2014年1月24日金曜日

散文:山に登る


人生は戦いの連続。

大げさなようだけれど、生き甲斐のため、生活のため、生命の維持のため、

いつも皆何かと戦っている。

しかしそういった戦いは必ずしも全て、他者と利害が衝突するものばかりではない。

そうでないものは、さしずめ山に登るようなもの。

登られても山は何も変わらない。ただ登った人が「やりきれた。」と思うだけ。

一対一で拳を交えるボクサーだって、きっと相手の中に山を見ている。

それもまた、生きるということだと思う。

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大きな事を書いてしまいましたが。。。先日作曲が終わってリハーサルに出かけようとした時のことですが、ドアを開けて外の冷たい空気を全身に感じ、そして一呼吸して一歩踏み出した瞬間、何か「戦っているなあ」という実感がありました(実際本当に寒かったので。。)。しかしそれと同時に「でも何と?」という疑問も湧き、こんな事を考えました。

2014年1月22日水曜日

雪の夜


またまた間が開いてしまいました。

昨日ようやく作曲中だった曲を書き上げ、もう一踏ん張り!と夕方ミュージカルのリハーサルに出かけたのですが、外に出てみると雪の降りしきる銀世界でした。極寒の中ふうふういいながら電車に乗り、乗り換え待ちにメールをチェックすると「雪のため今日のリハーサルはキャンセルです。」というお知らせが。。。ちいん。

昨晩は今年に入って二度目のスノーストームでした。写真は今日のお昼の家の近所の様子です。気温はマイナス10℃前後と低いままですが、そのせいでまだ雪が溶けていないのか、路面が凍っていないのは助かります。

2014年1月13日月曜日

ラップできる人

昨日初めてがっつりとラップの曲の指導をしたのですが、英語のネイティブスピーカー(中でも特にラップできる人)の能力に感激しました。

ノン・ネイティブとはいえ、練習すれば私もリズムと言葉を習得する事はできて、なんとか曲を教えることはできるとわかったのですが、それと同時にある程度の速さ以上になるともう口がついていかないことも実感しました。具体的には、昨日取り組んだ曲はテンポが♩=140だったのですが、私はもう♩=110を越えたあたりで限界になって口がもつれはじめました。しかし指導した彼女を見ていると、「テンポがあがる=難易度が上がる」ということではないらしく、車のギアを変えるように速いテンポに対応して、速くなればなるほど逆に快適そうにやっていて、最終的に難なく140まで行ってしまいました。真顔で内心、ノン・ネイティブとして越えられない壁を感じてしまいましたが、ともかく一応「教える」という任務は果たせたので一曲一曲やっていきたいと思います。

作曲の方は、「楽譜を渡す時までに、まともな曲になっていればいいから(泣)」と言い聞かせながら、とにもかくにも音を楽譜に置いて、見方を変えては見直して置き直すことを繰り返しています。モーツァルトのようにはじめから完成した曲が書ければよかったのですが…、この徐々に叩き上げるやり方のハラハラ感には未だに慣れません(いつも時間が押しているからという説もありますが)。

2014年1月11日土曜日

"The Seven"

今日は一日中しっとりと雨模様でしたが、気温が10℃ほどもあり過ごしやすかったです。とはいえ一週間の中で最高気温の差が最大20℃もあるのはどうかと思いますが・・・。

最近、来月に本番のあるコロンビア大学のシアタープログラムの卒業制作ショーの音楽監督を引き受けたのですが、今週からリハーサルが始まりました。

内容は、ギリシャ悲劇の「オイディプス王」(予言された運命に抗おうとしながら、結局は予言通り父を殺し、母と結婚してしまったオイディプス王の悲劇)の続編にあたる物語で、"The Seven"というタイトルの、オイディプス王の2人の息子が主人公のお話です。

このショーでは、人名や地名はそのままながら、全編がヒップホップやR&B、ラップで語られ、ギリシャ悲劇の題材を通して現代における「呪い」とは何かということを問いかけます。

上演に際しては、このショーが前回上演された時に使われた音素材、トラックそのものを使用させてもらえるそうなので、本番もバンドはなく、役者さんは録音に乗って歌います。

今までの経験からするとアメリカで小規模なミュージカルを上演する場合には、音楽監督がリハーサルでも本番でもピアノで全曲伴奏するのが一般的なのですが、今回は「伴奏」というものもないので、どちらかというと歌唱指導といった感じで役者さんに曲を教えるのがメインの仕事です。

準備にかけられる時間が限られている中でそれは助かるのですが、課題は全編通して大半がラップだということです・・・。ラップに経験がない上に、英語で!?というだけで怖じ気づいて、当初は「コーラスやメロディーのある曲の指導に専念する」ということで仕事を受けさせてもらったのですが、結局リハーサルの場面になると役者さんに「リズムがどうなってるかだけ教えてくれればいいから☆」と言われてしまい、そうなるとやはりある程度自分で歌えなければならないわけで、幸い楽譜があるので現在特訓中です・・・。

同時に並行して、前から友人に頼まれていた曲を作曲中なのですが、その曲がかなりメルヒェンな感じなので、ヒップホップの世界とのギャップが大きく、二つの世界を行ったり来たり、なかなかシュールな日々を過ごしております。いずれもチャレンジングな状況ですががんばりたいと思います。

2014年1月7日火曜日

"Change the World - a cabaret night"

ご挨拶が遅くなってしまいまいましたが、新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 

皆様年末年始のお疲れなど出ておられないでしょうか。NYは年明けから寒波に見舞われており、今日の最高気温は-11℃、最低気温は-14℃というなんともいえない寒さでございます。 

昨年のことになりますが、キャバレー・ショウの伴奏をさせてもらった時のダイジェストビデオがアップロードされましたのでご紹介させて頂きます。ダイジェストとはいえ、約20分ほどもあるのでちょこちょことでも見て頂ければ幸いです。

21曲ほど伴奏させてもらったのですが、本番でこの曲数は自己最多で、準備期間も思うようにとれなかったこともあり、本番は非常になり振り構わず黙々と弾いております。反省も多々ありますが、良い経験をさせてもらい、そして最後の曲を弾き切った時にはなんとも言えない達成感があり「報われたなあ」と思えた本番でした。ご覧頂けたら嬉しいです。
す。
Digest Video of "Change the World - a cabaret night" (MuSE SOAF2013) from MuSE Video on Vimeo.