2017年5月30日火曜日

"The Gray Wolf" Video


またまたすっかり間が空いてしまいましたが…、4月頃から準備していたピアノ五重奏曲のためのThe Gray WolfのビデオがようやくYoutubeに公開できましたので、お知らせさせて頂きます。


今回はよりお話に沿って音楽で物語るような曲を目指して書いたため、ビデオは演奏の映像ではなく、あえて実験的に、作曲の過程で使用していた絵コンテを膨らませたような鉛筆画を連ねた映像を制作致しました。(お話の粗筋については前々回の投稿をご参照頂ければと思います。)

絵に関しては素人にも関わらず(一応中学では美術部に入っていたのですが…)、あえて勉強する時間も取れずに気力と勢いで描き切ってしまったため、お見苦しい点も多々あるかと思いますが、このようなイメージで音楽を書いたのだということを表現してみたくて、今回はまずこのような形で発表させて頂きました。

どうかお楽しみ頂けましたら幸いです。また個人的にでも、ぜひご感想などお寄せ頂けましたら今後の参考と励みになりありがたいです。

2017年4月26日水曜日

弦楽四重奏曲第一番


公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団ウェブサイトより

先月もう一つ嬉しかったことに、「弦楽四重奏曲第一番」の日本初演がありました。京都市伏見区を活動の拠点とする墨染交響楽団の「オーケストラ名曲コンサート」のプレコンサートで取り上げてもらいました。

京都教育大学音楽科の同期であり、楽団の発足以来主要メンバーの一人として活躍している米田勇樹くんが提案してくれ、第一バイオリンとしてカルテッドをリードして演奏してくれました。

墨染交響楽団の演奏会は毎回たいへん盛会で、このコンサートの入場整理券も約一週間で配布終了してしまった為、こちらのブログではお知らせしそびれてしまったのですが。。日本での初演というだけでも嬉しいところ、今の音楽活動に至る原点ともなった大学時代を共に過ごした友人に演奏してもらえて感無量でした。

墨染交響楽団の次の演奏会は、第22回定期演奏会(2017年9月18日(月・祝)、文化パルク城陽 プラムホールにて、入場無料)、プログラムはチャイコフスキー 交響曲第5番、ブラームス ヴァイオリン協奏曲だそうです。お近くにお住いの方はぜひ!

2017年4月22日土曜日

The Gray Wolf Premiere


先月の作曲の活動の中で大きかったこととして、Piano Quintetの為の"The Gray Wolf"の初演がありました。

このごろ器楽曲の作曲においては「音楽だけでどこまで物語を語れるか」ということに興味があり、この曲はその試みを押し進めたものとなりました。

実際には、演奏会ではタイトルやプログラムノートの助けを借りて、お客さんにあらかじめ内容をある程度把握してもらった上で聴いてもらう形式をとっているのですが、それでも紙芝居を見る時のように、お客さん自身の想像力を使ってもらいながら、のめり込んで聴いてもらえる物語りを音楽で実現したい、というのが目標です。

初演は素晴らしく、最後の音が鳴り響いた時に「ああ、曲が無事に生まれた。」と感激しました。お客さんも、しばらくの余韻を経てから拍手を送ってくれて、とてもありがく、忘れられない素晴らしい夜となりました。

また音源が公開できる準備が整い次第あらためてご紹介させて頂きたいと思いますが、以下にプログラムノートを和訳したものを載せさせて頂きます。

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『狼娘の島』

この曲はジョージ・マクドナルドの短編小説『狼娘の島』(1871年)に着想を得て書かれました。小説は、若い狼娘を主人公とし、彼女がある青年と出会うことで浮き彫りになる自身の二面性に対する内面的な葛藤を描いています。

物語はシェトランド諸島の、ある嵐の夜を舞台に始まります。英国から来た若い学生が仲間とはぐれ、雨の中一人で荒れ地を彷徨っていました。嵐の中、彼は思いがけず若い娘と出会い、彼女の母親の住む小屋に避難させてもらうことになります。青年はその不思議で美しい女性に強く惹かれますが、同時に鮮やかな青い目で彼女が彼を見つめる時の、不気味で「貪欲な」眼差しには嫌悪感を覚えるのでした。

娘の母親と夕食を共にした後(彼女は何も食べません)、青年は夜の眠りにつきます。真夜中、彼は唐突に獰猛な獣に襲われ目を覚まします。彼は獣と格闘し、その首を強く摑まえましたが、逃げられました。

翌朝、青年は自分の手形が娘の首に痣として残っているのを目にし、衝撃を受けます。彼はついに、娘と彼を襲った獰猛な狼が同一の存在であったことを悟ります。

青年は逃げ出し、大きな灰色の狼が彼の後を追いました。しかし狼がまさに彼に追いついたその瞬間、彼女は何とか人間の自分に戻ることができました。青年は不意に彼の腕の中で泣いている娘に気がついたのでした。彼女は彼を逃してやりました。そして彼が荒れ地の向こうから振り返った時、崖の淵に手を固く握り締めて立っている娘の姿を目にしましたが、彼女はもう彼を追って来ようとはしませんでした。

岡田あゆみ

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2017年4月19日水曜日

桜に思うこと


とんとんと投稿していくつもりだったのですが、またまた間が空いてしまいました。。三月の活動報告をと思っていたのですが、今日は少しこの季節に思ったことを書かせていただきます。


写真は先週のものですが「もしかして桜なのかな?」と思う街路樹が満開でした。毎年「もしかして?」と思いながら調べもせずに季節が過ぎてしまうのですが。。街では真っ白な花びらのものも含めて、桜っぽい街路樹をところどころで見かけます。

一気に開花して、一週間程で散ってしまうこの可憐なお花が咲き乱れる日本の春が懐かしいですが、私はどこか少し感傷的になり過ぎてしまうようで、個人的にはこのぐらいほのかに桜の存在感を感じる春も好きになりました。

ニューヨークが住みやすいと感じることの一つには「自分で選べる」ということがあるように思います。様々な背景の人が集まってきている場所なので、皆それぞれの祝日をお祝いし、それぞれのやり方で生活しているため、自分もまた人と比べずに生きやすいように思います。ここでは桜を見るか見ないかすらも選べます。

新しく住む場所というのは結局何年住んでも慣れない部分はあり続けるように思いますが、それがあるからこそそれぞれの場所の良さや特質に気付けるようにも感じて、その感覚は大切にしていきたいなと思いました。

2017年3月30日木曜日

幻想曲「信濃の国」


またまた間が空いてしまいました。

3月は前回の投稿でお知らせさせて頂いた"The Gray Wolf"の初演も含めて、様々な作曲や作品発表の機会に恵まれとても充実していたのですが、ようやく一連のプロジェクトが一段落するという直前にまさかの風邪をひいてしまい、数日前にようやく復活してきました。季節の変わり目、皆様もどうぞご自愛くださいませ。。

これから少しずつ、3月の活動の成果をこちらでご報告させていただきたいと思います。今日はまず最新の音源をご紹介させてください。

幻想曲「信濃の国」
原曲: 北村季晴作曲「信濃の国」(長野県県歌)
クラリネット:伊藤優美 ピアノ:斎藤誠二



長野県出身のクラリネット奏者の伊藤優美さんから委嘱を頂き、長野県の県歌である「信濃の国」をもとに、クラリネットとピアノの為の幻想曲を書かせて頂きました。

長野県民の皆様に大変愛されている「信濃の国」に対して曲を書かせて頂くのは大きなプレッシャーでもありましたが、伊藤優美さんの美しいクラリネットの音色を想像しながら楽しく書かせて頂くことができました。

この音源を初めて聴かせて頂いた時には、想像していた以上の伊藤さんの優雅なフレージングにため息が出、斎藤誠二さんの的確かつ表現豊かなピアノにも惚れ惚れとしました。お二人で曲をメリハリのある立体的な演奏に仕上げてくださっていて、とてもありがたく思いました。

ウェブサイトへの公開の許可を頂きましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。お楽しみ頂けたら幸いです。

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この曲は明日土曜日に長野市芸術館 リサイタルホールで行われる「伊藤優美 & 粟生田直樹 クラリネットデュオコンサート」でも演奏していただけるそうです。多彩なプログラムを準備されているそうなので、素晴らしいコンサートになること間違いなしです!お近くにお住いの方はぜひ。

2017年3月7日火曜日

The Gray Wolf


気がつけば2月は一度も投稿せずに終わってしまいました。。。先月は、ありがたいことながら作曲関連の締め切りが複数重なり、本当にあっという間に過ぎてしまいました。

作曲の内容は、ミュージカルの歌、クラシック的な器楽の作曲、クラシックの室内楽の作曲、と異なるタイプのものだったので、時間に追われると同時に頭を切り替えるのに苦労もありましたが、追い詰められたからこそ登れた山もあったように思います。

今週はそのうちの一つであるクラシックの室内楽、以前にも少しご紹介させていただいたPiano Quintetの初演があります。下にポスターを貼らせて頂きます。



曲名は"The Gray Wolf"で、George MacDonaldの短編小説 "The Gray Wolf"(邦題は「狼娘の島」)に着想を得た5楽章構成の標題音楽です。George MacDonaldのお話に音楽を書くのは二度目なのですが(一作目は"The Light Princess"に着想を得た"The Light Princess Suite"でした)、前回は空想的なお話だったのに対して、今回はミステリアスで暗い世界観の、かつ本当にあった出来事のように語られる物語なので、できるだけすべてのエピソードを割愛せずに音楽で語るべく取り組みました。

また今回はListen Closely Inwoodという、お世話になっているコンサートシリーズからの委嘱という形で作曲させてもらったので、作品を書くプレッシャーをいつも以上に感じていたのですが、先日初めてリハーサルに参加し、演奏してもらうのを聴いて少しほっとしました。素晴らしい演奏者は引き出しも多く懐も深い、ということに改めて感じ入りました。

お話の内容や、作曲の際に考えたことなどについても、また追い追いこちらで語らせていただけたらと思っています。

2017年1月22日日曜日

政権が変わって思うことなど


少し間が空いてしまいました。冬型の気圧配置が強まっているようですが、日本の皆様におかれましてはどうぞ寒さと雪にお気をつけください。

アメリカでは、ついにトランプ政権になって数日が経ちました。昨日はワシントンを中心に全米でデモがあり、NYでもたくさんの人が参加したようです。私も思うところはありながら結局街中には出ず、デモの様子もSNSで見守るに留まりました。

ビザをもらってこの国に滞在し、活動し生活しているけれども、「我々アメリカ人は!」という演説の一節を聞く度に「そこに自分は含まれないのだよな」と思います。そのことに対してどちらかの強い思いがあるという訳でもないのですが、客観的な事実としてあらためてそう思います。

というのも、アメリカには住んでいても国民ではないので当事者でないような、そして日本に対しては母国であっても住んでいないので当事者でないような気がしてしまって、どちらも気にかかるのに今一歩踏み込む勇気を持てず、やきもきばかりしているように思います。

そしてニュースを見ると、アメリカ以外の国でも連携したデモがあったと知り、自分が自意識過剰になっているうちに、国が違っても理念に賛同して運動した人がいたのだと知って、さらに凹んだりしておりました。。。

NYに来て以来ずっとオバマ政権だったので、これからどう社会が変わっていくのか、どのような影響を受けることになるのか。溢れる情報に振り回されずに、正しく必要な情報を取り入れるようにならねばと思っています。

ところで、次の作曲のプロジェクトとして(もちろん本業の方も頑張ります!)現在はPiano Quintetの作曲に取り組んでいます。今回も物語に主題を得ており、今はまだお話を分析したところまでですが、初めてのPiano Quintetの編成と、そのお話の組み合わせにワクワクしております。またその進捗や詳細についてもご紹介させていただきたいと思います。

今日は愚痴になってしまい失礼しました。。お付き合い頂きありがとうございました。