2013年3月31日日曜日

散文:育てる


「独り立ち」をするということは、親元を離れて「ひとりぼっち」になる、ということではありません。むしろついに「子どもの自分」を引き取って育て始めるようなものだと思うのです。

もしも5歳の子の手を引いて歩いていると思えば、信号もよく確認して渡り、歩く道にも気をつけます。その子の健康を気遣い、三食きちんと食べさせて、しっかり眠れるように気をつけます。環境と必要な物を与えて「がんばれ」と励まし、辛そうな時には休ませ、気持ちに寄り添い耳を傾けます。

今まで親が担ってくれていたその役割を、これからはあなた自身が引き継ぐのです。自分を大切に生きるということは自分に対する甘えではなく、むしろ親への感謝の表し方のひとつだと思うのです。

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父がこの春で退職を迎えました。先日は兄が仕事を押して実家に帰ってくれて、兄弟を代表して両親を労ってお祝いしてくれました。(スカイプのおかげで少し参加できました。)

定年まで勤め上げるということも、子どもを育てあげるということも、どれだけ大変な事だったかと尊敬と感謝の気持ちで一杯です。まだその途に立っておらず、独り立ちすらしていない私ですが・・・、しっかり生きて少しずつ恩返ししていきたいと思っています。

2013年3月27日水曜日

感謝

今日は歯医者さんに行ってきまして、診て頂いたところ「うん!よくなってる!まだ時間はかかるとは思いますが、日にち薬で治っていきますから。親知らずの治療は今日で終了です。」と言って頂きました。経過を気にかけ、回復の様子を喜び、さらりと送り出す。お医者さんてかっこいいなあと感謝の気持ちでいっぱいでした。

お世話になったのは日本歯科グループさんです。ニューヨークのほかに、ニュージャージー、コネチカット、そしてイギリスのロンドンにも診療所があるそうですので、お住まいの方にはぜひおすすめしたいです。

治療終了のささやかなお祝いに、帰りに日本系のスーパーで、お茶、さくらあんぱん、そしてうなぎの巻き寿司を買って帰りました。とはいっても診療所がその日本系のスーパーの近くなので、帰りにはいつも寄って毎回小祝いしていたのではありますが。。。

今週はさすがにどの日も気温が10℃前後になるそうなので、ようやく春っぽくなってくると良いなと思います。

2013年3月23日土曜日

春待ち

春分の日も過ぎましたが、NYはまだまだ寒い日が続いております。。。今日の気温は6度ですが、予報によると今週また雪の降る日もあるようです。。NYの春と秋は殊更短いように感じるのですが、今年ばかりは皆見逃さずこぞって公園にでも出かけることだろうなと思います。

さて、活動の方はといいますと、4月20日のリサイタルまで一ヶ月を切りまして、リハーサルはまだ始まってはいませんが、最近は広報活動:コンサートのお知らせやご招待、フリーペーパーへの記事掲載などに取り組んでいました。今回のリサイタルはビザアプリケーションをサポートするのが目標の1つでもあるので、なんとか色んな人に来てもらえるように必死です。。ただその分来てもらった人に楽しんでもらえるようなコンサートにしたい気持ちも盛り上がってきていて、内容をこれから詰めて行くのが楽しみです。

そして歯の方も随分楽になってきました。お医者さんが本当に親切で、いつも感謝の気持ちで診療所を後にします。来週もう一回診てもらって一段落ということになりそうでありがたいです。

そんなこんなで近況報告ばかりになってしまいましたが。。最近はそのような感じの日々でした!

2013年3月15日金曜日

回復

おかげさまで抜歯から一週間経ち、昨日は抜糸してもらって来まして(ややこしいですね。。)、随分と痛みも違和感も和らいできました。

この一週間はお薬ももらっていたのでそこまで痛みも強く出る事なく、毎日が「昨日より良くなっている!」という回復の過程で、また友達や歯医者さんの優しさも身に染みて、小さな感動をひしひしと感じる日々でした。

その最中に東日本大震災から二年の日を迎え、ニュースなど見るにつけまだまだ厳しい状況にいる沢山の人のことを思いました。親知らずを抜くことなどとはとても比べられませんが、それでも同じように現代の技術と人間本来が持つ強さとが共同し、人の優しさに支えられて毎日少しずつでも着実に回復していることを願いました。

少し嬉しいこともあったのでご紹介させてもらいます。

リサイタルのフライヤーができました。4/20(土)午後4時からHoly Trinity Episcopal Church, Inwoodで開催します。入場無料ですので、NY在住の方やお立寄の方はぜひお越しください。

出版された楽譜が届きました。開いてみると、しっかりした紙を使ってもらっていて嬉しかったです。マネス音楽院の恩師に報告してプレゼントすると、図書館に入れてもらえることになりました。

以前新入会員として紹介してもらったのがきっかけで、ユニオンの機関誌の表紙に写真が載りました。「ちょっと嬉しいなあ」ぐらいに思っていたら、あとで意外に色んな人から「載ってたでしょ!」と声をかけられ、「この人もユニオンメンバーだったのか!」とか「意外に皆ちゃんと読んでるんだな。。。」などと驚きました。

2013年3月8日金曜日

散文:親知らずを抜いた日


いずれまた、元気になるとわかっているのです。
でも、だからといって落ち込まないわけにはいきません。

部屋に帰って「恐かったよお、心細いよう。」とおいおい泣きもしましたし、
痛みと安静を言い訳にしばらくとろとろと眠り続けました。

部屋は散らかり、顔もぼんやり。

それでも確信してもいるのです。
いずれまた元気になるということを。

感謝もされず抜かれてしまう、この親知らずの置き土産。
「このようにして生きてゆけ」と伝えているかのようなのです。

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なんだかもうこのパターンになってきたかのようで申し訳ないのですが。。。
そのようなわけで数日前急きょ親知らずを抜いてもらってきました。。。
手前の虫歯の詰め物がとれて気になってはいたのですが、数週間前に痛みがひどくなり、意を決して日本系の歯医者さん(アメリカに来て初めて病院に行きました。。)に行ったところ、即「抜きましょう」ということになりました。覚悟はしていたのですが、なかなか今回は恐かったですね。。かかりつけの歯医者さんではないということと、医療費が一体どんな恐ろしいことになるのかというのと、もうごちゃ混ぜの不安でピアノの本番前並みに緊張しました。歯の角度が抜きにくかったようで時間がかかりましたが、丁寧に治療してもらって看護婦さんも親切で、治療費も覚悟していた範囲内の額だったのでラッキーだったと思います。ただここ数日はもう「臨時休業」状態で、せっかく時間があるのに何も仕事が進まないのはショックではありましたが、今日辺りからぼちぼちと再開しております。

2013年3月5日火曜日

散文:夜に想う


今どんな気持ちかと聞かれれば、とてもそこはかとない気持ちです。
疲れていなくはないけれど、眠りたいわけでもない。
仕事をしたり、日記を書いたり、何かを読むという元気もない。
静まりかえったこの深夜に、とてもそこはかとない気持ちです。

この気持ちを誰かに満たして欲しいわけではない。
それでもどこか待っているようなのです。
もしかしたら自分自身を待っているのかもしれない。
今日の自分を「良し」と受け止め、明日に向かう元気が沸き起こるのを、待っているのかもしれない。

誰に読まれるあてもなく、誰の為になるわけでもない。
けれどこうして詩を書くと、いつも私は少し救われるのです。

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すいません、どうも散文づいておりますがそこまで病んでいるわけではありません。。。

ここ最近は「追い込んで楽譜づくりに取り組む」→「できあがる」→「放心状態で何も手につかない」→「時間のある限り昼寝」→「日記を書いて気持ちを整理」→「通常営業」という破天荒なサイクルを数日単位で連続的にくり返しております。。。近々反省して生活や勉強、仕事の仕方を改めたいと思っていますが、ひとまずあといくつかの楽譜をこのまま仕上げてしまいたいと思います!

2013年3月3日日曜日

改訂

近々こちらでもあらためてご案内させてもらおうと思っているのですが、4月にリサイタルをすることになりました!ここ数日は準備の一環として、以前に書いた曲の改訂をしていたのですが、色々な発見がありました。

昔の楽譜を見れば見る程あちこちに「それはないだろう〜。。」と思う箇所があり、それを1つずつ検証して、感覚的にすんなりと納得できるところまで直しました。その過程ではびっくりするほど迷いも苦しみもなく、熱中して取り組むことができました。

終わってみて思った事は、私にとっての作曲とは、無から新しい形を生み出す例えば「彫刻」や「陶芸」とは違って、どちらかというと建物の内装をデザインする「インテリアデザイン」のようなものに近いなあという事でした。(このイメージについては2009年9月にも「作曲」という記事で少し触れていました。)曲の長さ、ジャンルや楽器編成、弾きやすさと聴きやすさ、作曲家としての目標、人に書く場合はその人の好み、などを考慮して、部屋(時間)の中に家具(音)を配置していくという。

楽譜を書くのは部屋の図面を書くようなもので、ピアノで弾いたりして音を確かめるのは模型を作るようなもの。そしてレッスンはプレゼンテーションをしてダメ出しをもらうような感じかなと思います。それらの作業を通して実際の家具搬入(リハーサル/本番)のための計画を練上げていきます。

今回の改訂の過程はまさに、「この家具(音)は部屋(曲)の雰囲気に合ってない!」「これは動作線(セクションのつなぎ)がおかしい。」「こんなに空間が余ってるのはもったいない!(音薄すぎ)」と、自らダメ出しをして部屋にある家具を見直し、模様替えしているような気分でした。結果、部屋の印象はさほど変わっていないと思いますが、使い勝手と居心地の良さは少し良くなったと自負しております。

作曲した当時には気にならなかった技術的な未熟さが今は気になり、使える手が増えたことには少しの手応えを感じました。そして何より、またあらためて演奏してもらう事が待ち遠しくなったのが嬉しいです。