2012年10月31日水曜日

ハリケーン4

今日は久しぶりに時折晴れ間も見えました。やはり日の光を見るとほっとします。

もう私のアパートのあるエリアでは停電と断水の心配もなさそうで、スーパーにも品物が戻ってきつつあります。

それでもダウンタウンの方では広域に停電のため、知り合いを頼ってアップタウンに避難してきた人も多かったようです。知り合いから、「夜のダウンタウンは本当に真っ暗で、ゴーストタウンのようで恐かった」という話を聞きました。

ニュースは最近は時折しか見ていませんが、浸水した地下鉄を直す為に他の州から技術者が駆けつけてくれていることや、交通を助けるためにバスが数日間無料で運航したり、普段は公認でない「黒タクシー」にも営業許可が出ていることを知りました。明日には地下鉄の一部が運行を再開するそうで、この災害の被害とそれを直すために昼夜を問わずに働いている人たちに頭が下がる思いでした。

ところで他の州でこのような事態になったら「まずスーパーに行って非常食を買い出し、家に帰って非常用グッズを用意する」ところ、NYでは「まずスーパーに行ってお酒を買出し、家に帰ってパーティーの準備をする」と皮肉が言われています。皆が皆そうではないですが、普段忙しく交通麻痺でもなければ完全に休めないニューヨーカーの、ちょっと世間からずれた感覚をよく捉えているなと思いますが。。。実際にアパートの階上・階下から聞こえて来るパーティーの音を聞きながら、被害を受けた場所とそうでない場所の状況の違いを思って複雑な気持ちもします。

明日からは92Yのイベントも再開しアッシャーの仕事に復帰します。朝は子ども達の為の臨時映画上映イベント、晩はAndras Schiffのコンサートでアッシャーをするので長い1日になりそうですが、十分休ませてもらったので明日から再始動できるのは嬉しいです。

あえてメッセージを下さった方、ブログを見守って下さっている皆様ありがとうございました。私はおかげさまで幸運にも無事ですが、それでも「これからどうなるのだろう」という若干の不安の中、「心にかけてもらっている」と感じられたことはとても励みになりました。ありがとうございました!

2012年10月30日火曜日

ハリケーン3

夜が明けました。

ダウンタウンの方は昨晩から各地で停電になったようですが、うちはありがたいことにまだ電気も水も来ています。

まだ雨風が続くらしいということと、木の枝が落ちて来るかもしれないので外出は控えた方がいいそうで、家の前だけ少し様子を見てきました。

すごい落ち葉とたまに枝が落ちていますが、本当にここらへんはましだと思います。

電車が止まっていて通勤できないので、管理職やフルタイムの人はリスクマネジメントと復旧後のフォローアップが大変でしょうし、パートタイムは通勤できない期間の分だけ収入が減って、いずれにせよ損害だなあと思います。

情報には気をつけつつも気をすり減らさず、できるだけ生産的に過ごしたいと思います。

2012年10月29日月曜日

ハリケーン2

Hurricane Sandy : View From Above

タイムズ社のビルから見たマンハッタンの様子です。

今朝はまだ静かだったのですが、午後になってアッパーイーストサイドにもかなり強い風が吹き始めました。

今日は外に出ないつもりだったのですが、マンハッタンへつながるトンネルも閉鎖され、明日もまだ電車が止まったままかもしれないと聞いて、ダメもとでもう少し食料を買い足しに近所のスーパーに行きました。

スーパーでは皆買い込んで行く上に、流通が止まっているので棚にあるものは減る一方で、特に野菜のコーナーはとてもがらんとしていました。それでも、お店を開けてくれていただけありがたい上に、人出は多いながら皆まだ落ち着いた様子でした。

家にいて作業できることは多いのですが、停電が来たらPCは使えないと思うのと、断水になる前に調理しておくかとか、シャワーに入っておくかとか、なかなか落ち着かないところです。今のところ私のアパートは避難区域ではないのですが一応避難リュックを用意しました。普段水、ガス、電気が使えて、安全に外出できるということが、実にありがたいことだったのだなあと思います。

2012年10月28日日曜日

ハリケーン

ハリケーンの「サンディー」がNYに来るかもしれないとのことで、この週末はにわかに騒がしくなっています。

もし直撃すれば停電や断水の可能性もあるということで、昨日スーパーに行くともう水が品薄になっていました。

今日は午前と午後にアッシャーの仕事があったのですが、午後の方はキャンセルになりました。午後7時から地下鉄が止まるそうです。学校は軒並み明日まで休講になり、コンサートやミュージカルなどもみんな順次キャンセルになっている様子です。

明日の夕方のコーラスのリハーサルもキャンセルになったのでぽっかりと予定には余裕ができました。もっと備えた方が良いのだろうかと、ひとまず水、缶詰とロウソクを買って、お風呂場に水を若干蓄えました。仕事帰りに通りがかったスーパーは入場制限をしていたので今から更に買出しに行くのもどうかと思いながら、さっきはちょっと疲れてしまってとろとろとお昼寝をしてしまいました。

外の様子は静かですが、ともかくしばらくは家の中で様子をみながらすごそうと思います。

2012年10月24日水曜日

エンターテインメント

レストランでピアノを弾くバイトを始めてから、路上のミュージシャンに以前より興味を持つようになりました。

NYの地下鉄では、乗り込むやいなや、電車が1区間走る間に一曲披露して、お金を集めてまた次の車両に移っていくというミュージシャンもよく見かけます(ギター弾き語りやアカペラ等)。実際上手だったりもするのですが、それなりに混み合った車両の中、「なんだか押し売りだなあ。」と思ってあまりチップを入れたこともありませんでした。

けれどこの間、日も暮れかけた時間帯にプラットフォームで、ある二人組がギターをつま弾きながらスタンダードなジャズナンバーを歌っていました。私はコンサートに行こうと電車を待っていたのですが、見渡すと周りの多くの人たちが仕事帰りのようでした。1日の仕事を終えてほっと家路につく人たちの気持ちを慰めるような、まったりする音楽にとても共感して私は数ドルチップを入れました。この人たちは今ここにいる人たちの為に音楽を弾いているなあと思い、そしてその音楽に感謝しました。

そんなこともあって考えたのですが、人が生きる為にはエンターテインメントは不可欠なのじゃないかと思います。一人で食事をしているとき、電車を待つとき、ふと人生について考えたりします。その瞬間はとても貴重なものですが、そればかりでは人生がシリアスになりすぎます。人は一人で抱えきれない人生を、時に人に胸を借り肩を貸し、それぞれの人生に責任を持って一生懸命生きているのだと思います。人間は静寂を恐れて音楽を生み出したと聞いたことがありますが、エンターテインメントはそのように人とのつながりで得られる安心を形にしたものなのではないかと思います。

もちろん衣食住に比べればエンターテインメントの必要性は低いのだろうとは思います。けれど、人はどのような危機的状態でどんなに悲しくても、その気持ちを中断してともかく何かを食べ、トイレにも行き、ある程度眠らなければならない。結局どんな時にも人は生きようとしていて、それはある意味シュールでもあり、またたくましいことだと思うのです。だからこそエンターテインメントも、そのような人の生きる意志を励ますという役割で、その重要性は思っているより大きいのではないかなあと、最近そんなことを考えています。

2012年10月17日水曜日

ブロードウェイ・ミュージカル

またまた間が空いてしまいました。10月に入りまして、ひとまずアッシャーとレストランでのピアノ弾きのバイトは落ち着いてきました。

そこであらためて、今の目標を発表させて頂きたいと思います。

「ブロードウェイ・ミュージカルをともかく一本書く。」

「いつかミュージカルの作曲家になりたい」という漠然とした目標はずっと持っていたのですが、学校を卒業してから色々な人と話して考えて、この目標に至りました。明らかに無謀なゴールですが、ともかくシンプルなこの目標に向かって出来るだけやろうと思っております。

ここ数ヶ月のネットワーキングを経て、こちらのミュージカル界がどのように成り立っているのかなどが段々わかってくると、上記の目標に向かう為に必要な様々なことがわかってきて圧倒されもしています。

まずなんといっても、そこに至るまでにとても時間がかかること。アメリカに居るビザ・ステイタスが不安定で、しかもネイティブでない自分が英語でミュージカルを書くとなると、ライバルのアメリカの作曲家よりも必然的に負っているハンデが大きいことにあらためて気づかされます。

そしてまだワークショップやプログラムにも所属していないので、今同じような状況にいる仲間という人も少なく、これまでの近しい友達ともだんだん道を分っていく気がして、なんともいえない気持ちにもなります。

そのような日々で、この間はアッシャーの仕事中に(待ち時間が結構あります)同僚の友達にそのような弱音を吐いてしまったのですが、帰り道に彼女は「思うんだけれど、あなたはきっと大丈夫だと思うわ。簡単にこういうことを言えないのはわかっているけれど、でもあなたはあなたの将来を気にかけてなんとかしようとしているのだもの。きっとうまく行くと思う。」と言ってくれました。

ありがたかったです。自分では気づいていなかったのですが、どうやら少々弱気になって誰かに「きっと大丈夫」と言って欲しかったようでした。自分も甘ったれだなと反省しつつもとても励まされ、彼女の懐の深い笑顔に後光がさして見えました。

そして家に帰って、友達が日本から送ってくれた「くじら」のぬいぐるみを見て、「ああそういうことか。」と思いました。このクジラ君も私が今日みたいに凹んでいるときに元気をもらえるように、いつでもこの部屋でにこにこしてくれていたのだな。今は一人きりに思えても、本当はそうではなくて、距離や時間を越えて沢山の思いやりに支えられてこそ自分はここにいるのだと思いました。

すみません、最近NYも急に秋っぽくなりまして感傷的になってしまいました。。ともかく、このようなわがままな生き方をさせてもらっていることにあらためて感謝しております。まだ折々に触れて弱音を漏らしてしまいますが、難しいからと諦めることは致しませんので、ブログを読んで下さっている皆様もどうか引き続き温かく見守って頂ければ幸いです!

2012年10月3日水曜日

アッシャー

またまた間が空いてしまいました。。。

先週末ミュージカルの本番が無事終わりました。私は本番は演奏こそしませんでしたが、リハーサル期間中稽古ピアノを弾いたり若干のコーチングをしたりして約一ヶ月間関わってきて、そのプロジェクトの完成を見るのは感慨深いものがありました。

終わってほっとした面も多いにあるのですが、それはそれで次のプロジェクト探しや、ネットワーキング、そしてアッシャーの仕事が本格的に始まったりして、なんだかまだばたばたしています。もう10月なのですね。。。

ところでアッシャーですが、結局92Y(Kaufmann Concert Hall)で働かせてもらっています。日本ではあまり知られていないホールですが、ユダヤ人系の伝統あるホールの1つです。

結局アッシャーには、8つのホールに応募したうち4つ面接に呼ばれ、実際3つ受けて、1つ断り、1つ断られ、そして一番に返事をもらっていた92Yに決まりました。カーネギーホールも一次面接までは行ったので残念ではありましたが、なるようになったのだなと納得しています。

10月もまだまだ人に会ったり、情報集めを進めなければと思いますが、勉強の方もそろそろ腰を落ち着けてやっていきたいと思います。