2012年7月30日月曜日

大作曲家

先日ジュリアード音楽院の本屋さん(楽譜は大体ここで買います)に楽譜を探しに行ったら、レジ横にこんなものが置いてありました。

「作曲家マグネット」

ちょっとおしゃれなかんじで並べてありますが、もしこれを顔だけ並べてあったら誰も買わないだろうなあ、でもマグネットに写真を貼っただけでこんなに(値段)するのかあ。などと色々思いましたが、結局、買ってしまいました。

パッケージを開けると中に「どの顔が誰なのか」を書いてある紙が入っています。

今はこのような感じで冷蔵庫に貼ってあります。音楽家の友達が家にくると、皆冷蔵庫の前で立ち止まって自分がどれだけ言い当てられるか試すので、しばらく遊べます。

最近はちょうど三枝成彰氏の『大作曲家たちの履歴書(上・下)』を読んでいてとても面白いです。ひとくちに大作曲家と言っても皆性格は色々だったんだなあと共感しながら読み進められる上に、音楽史の流れの中での位置づけ等にも触れてくれているのでとても勉強になります。

2012年7月27日金曜日

図書館

NYに戻ってはや一週間強経ちまして、時差ボケも大分気にならなくなってきました。
最近は8月からスタートダッシュを切るべく、部屋を片付けたりPCを整理したり環境整備に取り組んでいます。

周りの環境としては、ぼちぼち友達が引っ越して遠くの州に行ってしまうのでさびしいところです。昨日はお別れランチを食べに行って名残を惜しんできました。

帰りに市立図書館の音楽部門に寄ってミュージカルのCDを沢山借りてきました。新旧様々なCDの中で興味のあった物を選んでいると、なんと棚の半分まで見たところで24枚になってしまいました。あちゃーと思いながらもともかく係の人にに聞いてみると「50枚までオッケーよ。」と言われて、「なんて大盤振る舞い!」とそのまま借りて帰りました。一体どういう人を対象にしてその枚数制限にしたのか、それだけ借りて返さなかったらどうするんだとか思いましたが、勉強するにはありがたいことです。

2012年7月19日木曜日

始動

またまた間があいてしまいましたが、少し実家に帰省していて昨晩NYに戻りました。帰省中会ってもらった皆様、貴重な時間をありがとうございました!お会いできなかった皆様、ご連絡できていなくてすみません。。ぜひまたの機会に!

今回は今後の身の振り方を考える為の帰省でもあったのですが、色んな人と会ってお話をさせて頂く中で、ようやくこれから一年間の過ごし方を決めることが出来ました。留学生の為のOPT(Optional Practical Training)という制度でNYにもう一年残って、仕事をしながら独学で音楽の勉強を続けたいと思います。

これからは学校がない分、早く仕事を見つけてより計画的に過ごさなければと思っていますが、NYに残って勉強が続けられるのは本当に嬉しいです。後押しして下さった皆さんや、サポートしてくれている両親に感謝の気持ちで一杯です。益々ひとときも無駄にせずがんばりたいと思います。



2012年7月8日日曜日

『さようなら』


先日に引き続き、アップロードした音源のご紹介です。
混声四部合唱とギターのための「さようなら」。以前こちらで紹介させて頂いた谷川俊太郎さんの詩の英訳に曲をつけさせて頂きました。出版社等に問い合せたところ、自身のホームページで音源を公開する許可を頂いたのでアップさせて頂きました。

この曲を書いた時期には他の曲の締切などにも追われていたのですが、詩に共感する気持ちがうまく曲に乗って勢いのまま書けました。期せずして、自分も含めて卒業で離ればなれになる友達への想いもこめた「卒業ソング」になりました。

もういちど、谷川俊太郎さんの原詩を引用させて頂きます。

さようなら
詩集「はだか」より
谷川俊太郎

ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どこへいくのかわからないけど
さくらなみきのしたをとおって
おおどおりをしんごうでわたって
いつもながめてるやまをめじるしに
ひとりでいかなきゃなんない
どうしてなのかしらないけど
おかあさんごめんなさい
おとうさんにやさしくしてあげて
ぼくすききらいいわずになんでもたべる
ほんもいまよりたくさんよむとおもう
よるになったらほしをみる
ひるはいろんなひととはなしをする
そしてきっといちばんすきなものをみつける
みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる
だからとおくにいてもさびしくないよ
ぼくもういかなきゃなんない

この詩を読んだとき、出発する子どもの気持ちに共感したのと同時に感激したのは、「ぼくもういかなきゃなんない」という恐い物知らずの子どもの発言に『まあ待て』と思いながらもその話を黙って聞き、「きっといちばんすきなものをみつける みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる」という覚悟を受け止め、最後には「ぼくもういかなきゃなんない」という言葉にじっとその背中を見送る親の姿が見えるような気がしたことでした。

2012年7月5日木曜日

Violin Concerto No.1



初演から時間が経ってしまいましたが、リサイタルでのバイオリン協奏曲第一番の演奏をアップロードしました。

編成は
solo violin, 2 oboes, 2 bassoons, 2 horns, strings
です。

リサイタルのプログラムに書いたプログラムノートを引用します。

"The story of this piece starts up in heaven.  The solo violin represents the son of god who decides to come down to the earth to see the world.  He is surprised by many things at first, but gradually learns and becomes attached to the life on the earth.  He recalls his earthly experience nostalgically in the cadenza.  With the calls of the bassoons and the horns in quadruplets, the son of god realizes that the time has come for him to go back to heaven; he bids farewell to the world and rises up to heaven."

この曲にあえて宗教的な意味は込めていないのですが、曲を書き始めた時に「バイオリンがオーケストラをリードする」という構図に神話のイメージを重ねたことから始まり、「天界から天子が降りて来て、地球で色々の経験をしてまた帰っていく。」というストーリーに落ち着きました。

これを第一楽章としていつか全三楽章構成の曲に仕上げたいところですが、まだ思案中です。