Festival for Creative Pianists と、その楽譜出版機関であるAbundant Silence が合同で、今年からPianist in Residenceプログラムを始動しました。記念すべき一年目のピアニストとして選ばれたのはDaniel Inamorato さんで、8月のバーモント州でのフェスティバルでは、ワークショップに加えて、二つのコンサートを演奏して下さいました。
光栄なことに、どちらのコンサートでも私の曲を取り上げてもらったので、そのビデオをご紹介させて頂きます。
Pianist in Residence Concert
VIDEO
このコンサートは、内面的な不条理や滑稽さをテーマにしたセクションと、さまざまなエチュードを織り込んだセクション、という2つの軸で構成されており、技巧的かつ深遠なソロ作品から、ピアニスト自身が歌う歌曲に、内部奏法を織り込んだ曲まで、ピアノ曲の持つ様々な可能性を幅広く楽しませてもらいました。
私の作品からは、《The Days of Childhood(子ども時代の日々)》より《Capricious March(気まぐれな行進)》を、コンサートの前半(34:17あたり)に演奏してもらいました。この曲は、集団登校の途中で道草を食ってなかなか学校にたどり着かない子どもたちの様子を描いた作品で(笑)、その世界をとてもチャーミングに表現してもらって感激でした。
Matinee Tribute Community Concert "Social Justice Solo Piano and Toy Piano Recital"
VIDEO
翌日に開催されたこちらのコンサートは、前日のプログラムとはがらりと雰囲気を変え、理不尽な暴力によって命を奪われた人々を追悼する作品をテーマに構成された演奏会でした。
取り上げられた作品は: - 2012年 サンディフック小学校銃乱射事件 - 2016年 オーランドのパルス・ナイトクラブ銃乱射事件 - 2020年 ジョージ・フロイドさんの警察による殺害事件
—それぞれの事件の被害者を悼むために書かれた楽曲です。
私の作品からは、以下の2曲をプログラムの最後(1:03:09あたり)に演奏してもらいました: - 《Through the Sky(空を通して)》 - 《In the Shade of an Acacia Tree(アカシアの木陰で)》
コンサートを通じて、それぞれの作品を通して被害者の人生と、その命がいかに理不尽に奪われたかを観客が深く受け止めたあと、再び日常へと戻っていく為の橋渡しをするような役割として選んでもらいました。自分の曲が、そんな大切な場面に居場所を見つけ、役割を果たせたことを、とても光栄に思いました。
どちらも、それぞれに聴きごたえのあるプログラムです。ぜひ、お時間ある際に全編をご覧いただけたら嬉しいです。