2012年3月23日金曜日

ソナタ形式

今日はクラスでソナタ形式について「そうか!」と思う瞬間があったので、もしご興味あればお付き合いいただければと思います。

今「キーボード」のクラスではピアノソナタを書いています。
前回提示部が書き終わって今は展開部にさしかかっているのですが、今まで展開部の内容について、同じ素材を使うのに提示部とどう違うのかあまりぴんときていませんでした。それで今日は提示部のメロディーを他の調で模倣したような展開部を書いていくと、先生に「展開部は冒険なんだ!」と言われました。

色々詳細なやりとりをはしょって申し訳ないのですが、その時の先生の説明と例えを私の想像によって補足したところによると、

「提示部で主題(親や故郷)なるものが提示されて、冒険に出るべく展開部が始まり、新しい世界にわくわくしたりもするけれど、結局気がつけば自分の居場所に帰りたくてその面影を追い求めていて、しかしどこへ行ってもそれが本当の家ではないので益々旅を重ねる。」

ということなんだな!と思いました。そう考えると、なぜ展開部が提示部のモチーフを使って落ち着きなく転調を重ねるのか、常に緊張感が維持されるのか、それが例えば子どもがデパートやなんかで迷子になった時に、泣きそうに不安なのを堪えて必死に両親の顔を探して歩き回る、あの感じかと思うととても納得できました。