2025年7月25日金曜日

『Suite for Creative Pianists』完成とご報告

ようやく個人的に忙しかった時期が落ち着いたのですが、アメリカの混乱した政治状況の中、日々目まぐるしく状況が変化しており、また、世界、特にガザで起こっている出来事に心を痛めながら、「自分に何ができるのだろうか」と自問する日々が続いています。またしてもご無沙汰してしまいました。

本日はひとまず、ご報告させていただきたいことがあり、久しぶりに投稿させていただきます。

2020年に行ったクラウドファンディング「Creative Piano Works Commission」では、このブログを読んでくださっている皆さまにも大変なご支援をいただき、おかげさまでキャンペーンは無事成功しました。そして、そのご支援をもとに、全4楽章・約8分のピアノ組曲『Suite for Creative Pianists』を作曲することができました。

作品完成後、早い段階で演奏ビデオを制作しお披露目したいと考えていたのですが、なかなか思うように時間が取れず、またその間に、楽譜は委嘱元のAbundant Silenceに加え、新たに参加したRed Leaf Pianoworksからも出版されることとなった為、このたび、楽譜へのアクセス環境とビデオが整ったタイミングで、ようやく皆さまにご報告できることになりました。大変お時間をいただいてしまいましたが、あらためて、応援してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。

この作品は、中級後半レベルのピアノ学習者が即興演奏を通して創造性を育むことを目的に設計されています。メインの楽譜は即興演奏を促す構成になっており、Creative versionとして出版しています。また、私自身の演奏で完成させたバージョンをComposer's editionとして併せてお求めいただける形になっています。

演奏ビデオでは、Creative versionの楽譜に合わせて、Composer's editionの音源を使用しています。ぜひご覧いただき、ご興味を持っていただけましたら、以下のリンクより楽譜をお求めいただけますと嬉しいです。

Creative version& Composer's edition(セット): Abundant Silence
Creative version: Red Leaf Pianoworks
Composer's edition: Sheet Music Plus

改めまして、ご支援・応援ありがとうございました。

2025年4月13日日曜日

散文:駅にて

駅のホームに佇む無数の人々

それぞれが大事な何かを抱えてそこにいる

買ったばかりのバースデーケーキを大きめの紙袋の中に

おめでとうの花束を両手の中に

もうすぐ生まれる赤ちゃんをお腹の中に


それぞれがいなければならない場所に向かっている

10年ぶりの家族と再会するために

急遽頼まれた仕事の代役を果たしに

旅立つ友達を見送りに


淡々と共存するその人々の

それぞれが使命を持ってそこにいる


恐らく二度と会うことのない

その人々に、自分に願うのと同じくらい

幸せがあればいいと思う


***

何年ぶりかの散文です。

何か大切なものを抱えて電車に乗るときは、「どうか誰もぶつからないでー」と思い、大事な予定に向かうときは「電車が止まらず走ってくれますように(NYだけかもですが…。)」と思います。でもきっとそれは自分だけでなく、今隣に立っている人もそうかもしれないし、むしろ自分よりもっと壊れやすいものを抱えて深刻な事態に向かっている可能性だってある、そう思った途端に視界が広がるような気がしました。たくさんの人と日常的にすれ違う街に生活していると、ついそこに人がいることを当たり前に感じてしまいがちですが、それぞれに物語を抱えた、主人公たちの集まりだと思うと、世界とはそういうものだったと謙虚な気持ちになります。今日地下鉄で電車を待ちながら思った雑感です。

2025年4月8日火曜日

In the Shade of an Acacia Tree—バイオリンソロ


この曲をつい最近、9歳のバイオリニストが弾いてくれたと知ってとても喜んでいます。


別の新曲を演奏してもらって知り合ったバイオリニストの生徒さんで、学校の演奏会で演奏することになったと以前連絡をくれていたのですが、つい先日、無事演奏が終わったとビデオレターと演奏ビデオを添えて丁寧に報告をもらい感激しています。若くして既に深い音楽性の感じられる演奏で、しっかり取り組んでくれたことが伺えて。。。成長期の音楽家が取り組む一つのレパートリーに選んでもらえたことをとても光栄に思います。私自身、アメリカで音楽院を卒業してから10年以上が経ち、色々な機会に恵まれる中で自分なりに誇りに思える曲が少しずつ増えてきた今、それらの曲に居場所を見つける活動も広げていきたいなあと思っています。曲を迎え入れてくれる演奏者に届けられるように工夫して行きたいと思います。



早速で恐縮ですがこの曲の楽譜はこちらでご購入頂けます😄
https://www.sheetmusicplus.com/en/product/in-the-shade-of-an-acacia-tree-for-violin-22419532.html


2025年4月1日火曜日

ニューヨーカー

ニューヨークでの生活も今年で16年になります。


留学生として来たので、当時知り合った友達の中には既にここを離れた人も多くなって来ました。それでも不思議に思うのは、この街で出会って一時期であれ、一緒に濃い時間を過ごした友達は、たとえ今ニューヨークにいないとしても気持ちの距離感が変わらないところです。お互いニューヨークにいる時でも、忙しい時期には年に数回しか会わないこともあるためなのか、あるいは単にこちらがニューヨークにいるからに過ぎないのかもしれませんが。。。そして一度離れても、ライフステージの変化を経てまた戻ってくる人もあり、希望が持てるというか、寂しくはない街です。


寒さの続いた今年のニューヨークの冬ですが、ここ最近はようやく春らしくなってきて、今日はぽかぽかとした陽気の公園でハナミズキが咲き始めているのを見かけて嬉しくなりました。

2025年3月26日水曜日

Quiet Reflections

すっかりご無沙汰してしまいました。生活や作曲の活動について書きたいことは募るばかりだったのですが、日々に追われているうちに今年も4分の1が過ぎ去ろうとしていて驚くばかりです。連綿と続いた締め切りごとがようやく少し落ち着いたので(昨年末にも同じようなことを言っていましたが 汗)、今度こそブログをまた更新していきたいと思います。お付き合いいただけたら幸いです。


先日、Red Leaf Pianoworksから2冊目の楽譜集を出版しました。「Quiet Reflections」と題したこの曲集、子どもの頃や京都での大学時代に書き溜めていた音楽モチーフを取り上げ、5曲の抒情的な小品集としてまとめました。かなり「イージーリスニング」寄りの作品ですが、幅広いピアノ学習者向けの作品を発表し続けているRed Leaf Pianoworksを通じてなら、こういった曲集もありかなと思い取り組んでみました。結果的に、過去の自分と対話しながら作曲するような感覚で、形にできて嬉しく思っています。

ぜひ、ご視聴いただけると嬉しいです。