2013年9月26日木曜日

作曲考

昨日は尊敬する作曲の先生のリサイタルがあったので、久しぶりに新曲ばかりのコンサートを聴きに行ってきました。

どの曲も素晴らしくてとても刺激になったと同時に、作曲ということについてもまた改めて考えるきっかけになりました。

思ったのですが、曲が演奏される直前、お客さんの中にはこれからどんな音楽が始まるのかまったくわかりません。演奏者がステージに上がってから弾き始めるまでの間、この楽器編成で一体どんな曲を聴かせてくれるのだろうとわくわくします。

作曲家が編成を書き始めるときも、少しそれに似ているなと思います。作曲家自身にも、一体これから書こうとしている曲がどうなるのか、まだはっきりとはわかりません。何もないところから人を楽しませる何かを作り出す、その過程に時差はあってもとても似ていて、いずれも期待と緊張の入り交じるタイミングだなと思います。

もう1つ聴いていて思ったのは、アイディアが浮かんだとして、それを説得力をもったエンターテインメントに仕上げるには、作り手側に大きなキャパシティーが必要なんだなということでした。

変な例えですが、「綱渡りをして見せたら、みんな喜ぶかなあ。」と思ったとして、実際やってみて無事に綱を渡りきれるかどうかは別問題ですし、事故を起こしてしまっては自分もお客さんも困ります。ちなみに昨日の先生の場合は、綱の上を巧みに歩きながら尚かつ華麗にジャグリングまでされておられ(るように感じられ)ました。

精進したいと思います。