2015年7月22日水曜日

"Down The Track"



先日の最終作品発表の際のビデオがYoutubeにアップロードできましたので、その中から二曲ほどご紹介させて頂きます。今日は一曲目の"Down The Track(線路を下って)"を。

この作品はゲイル・ツキヤマによる「The Samurai's Garden(侍の庭)」という小説を原作としています。

時は1936年。作品の早い段階のこのシーンで私たちは、香港の狭苦しい街の中で17歳のスティーブン・チャンに出会います。

この歌の直前に、スティーブンは彼の進学先が、彼の望んだ遠方の美術学校ではなく、香港にほど近い標準的な大学に決まったという知らせを受け、落胆しました。妹のペネロペが、彼の気持ちを和らげようと、あまり役に立たないことをします。

意訳ですが以下に日本語訳を載せさせて頂きます。お楽しみ頂ければ幸いです。

*****

ペネロペ「お兄ちゃんはもうずっと父さんの下で働くしかないんだわ。一生!だって他になんにもできやしないんですもの。」

スティーブン「言ったな、僕が他に何をするか見てるがいいさ。」

ペネロペ「口ばっかり。」

”線路を下って”

スティーブン「いいや、口だけじゃないさ。見てろ、僕は香港を出て行くんだ。母さんや父さんも今にわかる。僕はRMSエンプレス・オブ・ブリテンに乗って船出するんだ!それか、パンナム クリッパーに乗って飛び立って見せる!」



スティーブン
もし僕が汽車になれるなら、
話は簡単さ
さっさと出発して
線路を下って行くんだ。

風はひゅーひゅー鳴って
目の前に曲がりくねった道が
どんどんほどけて行く
線路を下っていくだけで。

閉所恐怖症とはおさらばさ!
誰かブレーキを外して
火を焚いてくれ。

木々は一斉にぼやけて見えるかもしれない、
だけど一瞬にして僕の道は開ける。
ここを離れて
線路を下って行く程に。

(ペネロペ笑い出す)

スティーブン「わかったよ、何がそんなにおかしい?」

ペネロペ「お兄ちゃんが。」

スティーブン「僕?」

ペネロペ「バカじゃないの。汽車になんかなれるはずないじゃない…」



スティーブン
汽車になったらその次は、
最高に魅惑的な場所を訪ねるんだ
線路を下って。

ペネロペ
線路を下って。

スティーブン
万里の長城やタージ・マハル
そしてパリのルーブル美術館が
待っている。
線路を下ったすぐそこで。

ペネロペ
線路を下ったすぐそこで。

スティーブン
退屈とはさよならさ。
僕には冒険が必要なんだ。
決して飽きる事のない。

この場所はとてもついてこれないのさ。
新しい境界線のもつ興奮に

スティーブン&ペネロペ
ここを離れて
線路を下ったすぐそこの。

スティーブン
そして僕が、

ペネロペ
そしてお兄ちゃんが、

スティーブン
地上を駆け抜け、
有名な地を見届け、
走って行くにつれ、
君にも聴こえるだろう!

ペネロペ
聴こえるでしょう!

スティーブン
僕の汽笛で大気を満たし
静かな空を切り割いて行くんだ。
そして一瞬にして

ペネロペ
一瞬にして

スティーブン
僕は
向こう側にいる

ペネロペ
向こう側にいる

スティーブン
地球の向こう側に!

ペネロペ
地球の向こう側に!

スティーブン&ペネロペ
行き先なんてどこでもいい!

スティーブン 
たった1つだけ探しているものがあるんだ。

どこかにあるはずなんだ。
僕が自分の道を見つけて
頑張り通せるような居場所が
線路を下ったどこかに。

ペネロペ
線路を下ったどこかに。
あるかもしれない。

スティーブン
きっとあるはずだ。
ここを離れたどこかに。
ここを離れたどこかに。

*****