2023年7月25日火曜日

ニューヨークの気候と虫事情

今日は少し生活のことについて書いてみたいと思います。ニューヨークに来て10年を過ぎましたが、最近気候変動の影響を感じざるを得ない環境の変化がいくつかあります。

先ほどもニューヨーク市から、今日の午後に鉄砲水警報、明日の午前から夜にかけて空気質注意報 (カナダの山火事による影響)、明後日に高温注意報と立て続けに注意喚起のメールが入り、こんなに重ならなくても。。。と思ったところです。

それに加えてニューヨークでは昨年からスポテッドランタンフライ(Spotted Lanternfly)という虫が大量発生していて(あえて写真は載せませんが、ご興味ある方はこちらのDAILYSUN NEW YORKの2021年の記事を見てみてください)、なかなかに厳しい状況です。というのも、この虫は幸い人間には危害を加えないのですが、繁殖力が強く、大量に群れて木の樹液を吸って弱らせてしまい、森林や農業に深刻な影響を与えるのです。

元々はアジアから来た虫で、アメリカでは2014年に、ニューヨークでは2020年に初めて報告されました。この虫のライフサイクルは一年ですが、一匹のメスが30-100の卵を産むことができるので、3年間で急激に増えてしまっています。それを受けて、2020年時点では見つけ次第踏み潰した上で州に報告を、という方針だったのが、もはや報告しなくて良いので見るなりできるだけ除去をと住民に呼びかけられています。

私の住んでいるエリアは木の多い公園が近いので、7月初旬からすでにたくさんの幼虫が現れていて、虫が成虫になってしまう前に少しでもと地道に踏む活動をしています。いくら害虫とはいえ、命を奪うということに毎回複雑な気分になりますが、去年の秋頃にミッドタウンの繁華街ですら沢山の成虫を見たことを思うと、虫の大量発生を少しでも遅らせるべく散歩の度に見回り活動をしています。

近所の人たちにも問題意識を持っている人が日に日に増えている印象で、踏んだり叩いたりしている人を見ると励まされます。そしてそれをきっかけに話しかけあって情報交換をしたり、近所の人と話す機会が増えました。聞いたところによると、市は積極的に殺虫剤を撒くのには慎重で(虫の移動を防ぐため積荷に関して規制をかけたり、天敵の導入を研究しているそうですが)、今発生している虫に対してはこれといった手立てが打たれていないことにフラストレーションを感じている人も多いようです。ただ、確かに送粉を担うハチをも除去してしまいかねない殺虫剤を可能な限りまきたくないのは理解できます。結局虫を一匹ずつやっつけるのが環境には一番負荷が少ないそうで。。。

この虫の厄介なところは、ノミのようにジャンプすることができるところで、それが踏むことを難しくしています。ただ、人それぞれに色々工夫している様子を見ていて、どうやら一番有効なのはハエ叩きのようだと感じ、私も先日それを導入したところです。それまではお散歩の時にはゆったりと木々を見上げて歩いていましたが、今やハエ叩きを片手に地面に目を光らせてのパトロールになってしまいました。。。それでも公園の木々を守るため、虫には申し訳ないと思いながらできる限り活動を続けようと思っています。

すっかり虫のお話になってしまいしたが…。お付き合いありがとうございました!