2016年8月9日火曜日

散文:アートの材料


「孤独」は真っ白なキャンバスであり、

「悲しみ」と「情熱」が絵の具である。

だが最終的に画家を衝き動かし、

アートを生じさせるものは、

何をおいても「憧れ」である。

************
残暑お見舞い申し上げます。まだ日本では厳しい暑さが続くようですが、皆さまどうぞ夏のお疲れが出ませんよう。

近頃のNYは暑さの中にも朝晩には少しの季節の移ろいを感じます。

おかげさまでビザの件はようやく一山越えられたのですが、今回の申請準備は前回の申請の時以上に苦しい時期がありました。アーティストとはなんなのか、自分はどういう風に生きていきたいのか、そして音楽との関わり方について、今まで以上に考えるようになり、今も渦中にある思いです。

最近考えていることなどを少し書かせてもらいたいと思います。

散文に照らし合わせると、NYにいられることで立派なキャンバスを手に入れられたと思っています。人生を重ねることで、絵の具の種類も少しずつ増えてきたように思います。ただ、先の道が見えないことに、自分がどの道に進みたいのかについて迷う中で、今更ながら途方にくれることがあります。そうしてふと、いつの間にか原動力であったはずの「憧れ」を感じる余裕を無くしてしまっていたのでは、と気がつく機会がありました。

ひととき産みの苦しみから離れ、ただ一人の観客として、きらきらしたものを見て心底憧れる。そういう時間を、しばらく過ごしていなかったのかなと思いました。

音楽で十分生活できるようになりたい、というのは具体的な目標なのですが、ただそれだけでは原点を見失ってしまう可能性があることに気づきました。何かをしたい、何者かになりたい、と思った初めには、いつでも憧れがあったはずなのです。そのことを今一度思い出したいと思っています。


どうもこの頃の投稿は散文スタイルが続いてしまいってますが、また少しずつ思ったことなど書いていければと思っています。

2016年7月25日月曜日

散文:演奏について


奏者自身が、その瞬間演奏している音楽に聴き入る
ということはあると思う

そんな時は、演奏するという聴き方をしていると言った方が近いのかもしれない
役者が役を演じながら、同時にその人物の心情に深く感じ入っているかのように

弾き終わっても、まだ心の中にはそこはかとない感情が流れていて
奏者はお辞儀も忘れ、観客は拍手も忘れ
その気持ちにまだ浸っていたいと思いながら
静かに普通の時間が戻って来る

それまでの刹那のことを余韻と言うのだろう

******

すっかりブログの更新も滞ってしまい、いろいろと皆様へのご連絡も失礼しております(すみません)。。。ビザの準備のことなどに追われておりましたが、ようやくもう一息!というところに近づいて参りました。

今年も夏の間だけ教会でオルガニストのサブをさせてもらっているのですが、今日教会でピアノを弾いていた時に思った取り留めもない感想を書き留めておきたく、散文にしました。

教会のサービスの中では進行に沿って度々BGMを弾く機会があり、だいたいゆったりとしたテンポのシンプルな曲を弾くことが多いのですが、技術的にそこまで難しくない曲を、皆も聴いているような聴いていないようなリラックスした環境の中で弾くと、かえってとても演奏に気持ちがこもるようなところがあります(当たり前でしょうか。。)。特に今日はサービスが終わってから「あの曲よかったよ。」と声をかけてもらえたので嬉しかったです。

張り詰めた本番を常にこなす、第一線で活躍する演奏家の感覚に憧れの思いも馳せながら、ふと浮かんだ感想でした。

2016年7月1日金曜日

散文:アイスティー


甘ったるいアイスティーほど寄り掛かれないものはない。
きりっとしていて、氷もたっぷり入っているから
たくさん飲んでも良い気がしたのに。
甘いなんて聞いていないよ。
今お砂糖は欲しくないんだ。
こんな暑い日の
甘ったるいアイスティーほど寄り掛かれないものはない。

***********

今回はもはや散文というか単なる感想になってしまいました…。今日ピアノ・ティーティングの間に空き時間ができてしまったので、ファーストフード店でアイスティーを頼んだのですが、一番小さいサイズでもスタバでいうところのグランデサイズしかないと言われ、じゃあそれでいいですと言っている間に、ガムシロップは入れないで下さいというのをすっかり忘れていました。すごく甘いのに、気持ちはほろ苦かったです。。

6月はなにやら落ち着かぬ間に過ぎて行ってしまった思いです。ビザのことももうあと一息というところで、変わらずバタバタと過ごしておりますが、なんとか7月には一区切りつけるべくやりきりたいと思っています。

2016年6月14日火曜日

6月の夕暮れ




6月になり、BMIワークショップも今年度の終わりを迎え、昨日は全クラスの終了をお祝いする小さなレセプションがありました。Advanced Classに進んでの一年目が無事終了したのだなあと、ほっと嬉しい気持ちで良い時間を過ごせました。レセプションを後にすると、街はまだ暮れきってはおらず、その中に浮かび上がる街灯が何か素敵で、行ったこともないながら少しパリっぽいなと思いました。心地よい風の吹く夜でした。

2016年6月10日金曜日

散文:ほっ


食べたことがあって味を知っているお菓子でも、また食べたい
きっと喜んでくれるだろうとわかっていても、実際に喜んでくれる顔を見たい

自分を嬉しくさせてくれる経験は
一度あればそれで十分というわけでも
そうなるとわかっていれば十分というわけでもなく
時々どうしても確かめたくなる時がある

「ああ、やっぱり美味しいなあ。」
「喜んでくれてよかった!」
そうして、ちょっとほっとしたい
その「ほっ」が明日を生きる力になるようで

もうどうしても手に入らない時はきっと来てしまうけれど
その時までに集めた「ほっ」が優しく佇んでいてくれると良い

*********

まだビザの手続きに取り組んでおりまして、なかなかばたばたと、するすると時間が経ってしまいます(汗)

散文続きになってしまいますが、最近少し思ったことを書き留めておきたいと思いました。

このブログで始めた散文は、最近は何か思うことがあってそれを表現したいと思った時に、唯一すぐにアクセスできる方法だなと感じるようになりました。何かしらまとまった作品を作るとなると題材を定めて色々調べ物をしたり、構成を組み立てては分解し組み直す、というダイナミックな作業が必要だと思うのですが、詩に関しては新たに何かを入力して出力するというより、何か「はっ」と思うことがあった時に、それまでに培った人生観の中から言葉を取り出すという感じがして、直感的に形にすることができるところが好きです。