2012年9月22日土曜日

仕事について

週末ですね!
今週はいろいろな予定が立て込み、朝から晩まで出かけっぱなしの日が続きました。忙しいのはありがたいことですが、やはり一息つく時間があるとほっとします。今日は晩にミュージカルのプレコンサートがありますが、それまではたまった片付けなどをして過ごしています。

今日は少しレストランのピアノのバイトについて書いてみたいと思います。

この仕事ではランチの時間に2時間半、30分ごとに5分程度の休憩をとりつつ弾き続けます。曲は「クラシック」であれば特に時代は問わず、うるさすぎずレストランの雰囲気に合えばよいと選曲はまかされています。大体40分〜1時間分の曲を用意しておいて、一回の仕事で2〜3周するという感じです。お給料は基本的にお客さんのチップがベースですがお給料の目安が決まっていて、チップがそれを下回った場合は差額をお店が出してくれます。そして一食まかないがつきます。

自分がレストランに行ったとしたら、どんな曲をどんな風に聞きたいだろうかと考えながら曲を選んだり弾いたりしているわけですが、それでも弾きながらあまりチップがもらえないと「選曲がよくないのかな」、「お客さんたちは音楽に興味がないのだろうか」とか「お店に払われているからチップは必要ないと思われているんじゃないだろうか」などと不安になってきますが、帰り際にピアノのところまでチップを持ってきてもらうと嬉しく、「それではあなたのためにもう一曲!(といってもその人は帰るわけですが)」と思ったりします。

ところでお給料としてみたときには一般的なバイトとほぼ同じです。自分には「ピアノを弾ける機会」というメリットがあってありがたくやらせてもらっていますが、でもミュージシャンとしての専門性を使って仕事をしているとするなら、この対価でこの仕事をすることはどうなのかなと考えてしまうこともあります(最近組合に入ったもので。。。)。お店の立場になると、CDをかけておくだけですむところを毎日音楽家を雇ってくれてありがたいことなのですが。。。そしてお客さんだって、お友達とのおしゃべりやお料理を楽しみにきたのであって生演奏を聴きにきたわけではない人が大半ですから、チップを払う義務はないのだよなあと思います。それこそ、路上で演奏するミュージシャンの前を通り過ぎるときのように。。。音楽と音楽家と社会との関わりについては色々と考えてしまいます。

しかしそんな事を考えていると、この前お店を出るときにお客さんに声をかけられました。「すばらしい演奏だったわ。ところで気になっていたのだけれど、弾いているときに私たちが食べたり話したりしているのについてどう思う?」と聞かれたので、「これはコンサートではないし、私は皆さんがお食事を楽しめる雰囲気を提供したくて弾いているので、どうぞお気になさらないで下さい。」ということを言うとほっとした顔をされました。

意外にお客さんの側も戸惑っていたりするのだなあ思いました。