2015年12月12日土曜日

英語について思うこと:表現が直接的でない②


英語ネイティブの友人数人に、英語でのコミュニケーションにおいて遠回しな言い方をする、あるいは「直接的」である、ということについてどういう認識を持っているのか聞いてみたところ、

①コミュニケーションにおいて「直接的」であるかどうかは常に意識していて、状況によって使い分けている。
②一般的に、あまり親しくない間柄で「直接的」にアプローチするのは失礼とされている。
③英語には、日本語における敬語のような、尊敬を表す体系的なシステムはなく、それらを表すには単語の選び方自体を変えている。
④自分の意思を表明するにあたっては、遠回しな表現はしない。
⑤物事について、そのままを言うのでは面白くないと思っている。

①については、仕事などでいったん本題に入るとやはり直接的になるものの、そこへの入り方や切り替えを特に意識しているそうです。たとえば、友人が仕事の面接に行った際、会社に対して質問したことを例にとって説明してくれました。彼は面接担当者に「あなたは会議でジョークを言うとしたら、冒頭か、中盤か、終盤、どのタイミングで言いますか。」と聞いたそうです。それによって、その会社ではどれぐらい直接的に仕事にアプローチする傾向があるのか、その雰囲気がわかるそうです。これを聞いて、とてもアメリカ的な印象を受けました。。

②は、ある程度言語に関わらずコミュニケーション一般に共通するところかなとは思いますが、親しい間柄であればあるほど、その表現は直接的になるそうです。

③は、そういうわけなので、単語自体に「親しい間柄で使うカジュアルな言葉」「初対面の人や目上の人に使う丁寧めの言葉」などのがニュアンスが含まれているため、意味としてはほぼ同じでも、状況にそぐわない単語を使うと「え?」と思われるそうです。これは日本語でもある程度想像できる感じがしますが、私などは英語ではイマイチまだぴんと来ないので、気づかずによく失敗していると思います…。

④は、端的にはYes, Noをはっきり言うということですが、上記のように人に対して「直接的」にアプローチすることについては慎重なものの、一方自分の意思を表明することには躊躇いがないようで、そのことによって相手にどう思われるか、と考えて遠回しになってしまうことはないようです。

⑤は、「笑いの方向性」とも通じるかと思うのですが、物事についてそれをありのままに言うよりも、少しひねって巧い言い方をする方が面白いし、その方がコミュニケーションが円滑に運ぶこともある、という考えもあるようです。

見渡してみると、結局私が英語を聞いてぴんと来ない理由に関係がありそうなのは③と⑤のみという結果になりましたが…、それにしても「直接的」であるかどうかということが、英語のコミュニケーションでそんなにも意識されている、とは思っていなかったので興味深かったです。

次回は、この他にも日本語と英語のコミュニケーションで方向性が違うなと感じたことについて書きたいと思います。