2015年12月19日土曜日

英語について思うこと:日本語と反対なこと


これまで、「笑いの方向性」や「直接的でないこと」における英語と日本語の違いを見て来たのですが、今回はその他で日本語と英語のコミュニケーションで方向性が違うなと感じたことを二点ほどあげてみたいと思います。

①同意のYes 対 内容に対するYes
英語で一瞬答えに詰まってしまうことの一つに否定疑問文("Isn't he busy now?"「彼は、今忙しくないのですか。」等)があります。私の日本語的な感覚では、話し手が「〜なのではないか」と考えていることに対して、同意の意味で"Yes"と言ってしまいたくなるのですが、英語的には内容に対してYes, Noと答えなければいけないので、こう聞かれるとあたふたしてしまいます。ただ、聞き方のバリエーションとして、もし"He is not busy, right?"(否定文+right?)と聞かれた場合には、同意の意味で"Right."と返事するのはありなのだそうなので、最近はそういう聞かれ方でない場合にもまず"Right."で返事してから考えたりしています。

②「気づかなくてごめんね」対「なんで言わなかったの」
日本語の場合は「察する」ことが大人であり、英語では「主張すること・受け取ること」が大人とされているように思います。ちなみにその一つの表れとして、英語の"take personally"「個人に対する言動と受け取る」という表現はそれをよく表しているなと思うのですが、これは例えば仕事上のやり取りで意見が合わなかった場合等に、それを個人的に取るか否かという時に使われる表現で、"Don't take it personally."などというフレーズはよく聞きます。すなわち、英語ではpersonalに取ることが大人気なく、対して日本語では人にpersonalに取らせることが配慮に欠けている、とされているように感じます。これは、もしその違いを知らずに他方のコミュニティーで生活すると、非常にフラストレーションが溜まるところではないかと思います。

個人的な印象としては、これらのことは頭では理解していても、やはり自分の母国語とともに馴染んだ感覚の方が強いので、頭の中でのその部分のルールの切り替えがスムーズに行くには、かなり経験が必要なのかなあという風に感じます。

次回は、これらのコミュニケーションの根本的な考えが違うということについてのまとめをして、今回の「英語について思うこと」の最終回とさせて頂きたいと思います。