2017年7月28日金曜日

ピアノを教えていて思ったこと:できることとできないことの境界線

写真は投稿と関連がありませんが…、
なんだかきれいな夕暮れ時だなと思って見上げた瞬間を撮ったものです。

気がつけば7月も終わりに近づき、夏の前半が過ぎたことにはっとします。ニューヨークはここ数日はとても涼しい気温が続いていますが、日本の夏はいかがでしょうか。

今日は少し、ピアノを教える中で思ったことを書き留めておきたいと思います。数年前から徐々にピアノを教える機会が増え、現在は10人前後(夏休みで長期お休みの生徒さんや、増えるかも?な生徒さんも含めて)の生徒さんに教えさせてもらっています。

子どもの生徒さんは5歳前後のお子さんに一から教えさせてもらう機会が多く、一本指で鍵盤を弾くのがやっとというところから始めて、数年経って両手で弾けるところまでくるとやはり感激します。その過程で思うことですが、「子どもは成長の過程で大人を常に試しながら、やっていいことと悪いことの境界線を学んでいく」と聞いたことがありますが、教える側にも生徒さんに対してそういう側面があるなと感じます。その場合に見極めるのは変動する「できることとできないこと」の境界線ということになりますが、前回はできなかったことが今回はできるようになっているかもしれない、という意識をもって積極的に補助を外していくことを意識しておかないと、せっかくの成長を妨げてしまいかねないなと感じます。自力ではまだできない部分をシンプルに助けてあげたくなる気持ちはありますが、かといって毎回音名を書いてあげたり、毎回声かけをしながら歌ってリードしてあげたり、「こうすればできる」という方法をいつまでも続けていては指導にならないぞ、相手は常に成長し続けている存在なのだ、と肝に銘じる思いです。補助の手立ての引き出しを増やして、よりその時々に合った高さの階段をつけてあげられるようになりたいです。

月並みですが、生徒さんから学ぶことは多く、指導法の試行錯誤においてだけでなく自分自身の音楽への見方や向き合い方にも刺激をもらうことが多いです。全ての経験から学んだことを還元していけたらと思っています。