2017年7月30日日曜日

鑑賞記録:夏のクロイスターズ美術館でのコンサート



メトロポリタン美術館の別館であるクロイスターズ美術館は、昨年から夏の間(May 26 – September 1)、金曜日の開館時間を7:30 p.m.まで延長しています。マンハッタンの北の端にあるこの美術館は中世の美術を展示しており、本館も含めた街中の大きな美術館に比べると展示の量は少ないですが、景色と建築と庭も含めたその静かで落ち着いた魅力に定期的に訪れる人も多い美術館です。

昨日はその延長された開館時間に時折実施されるコンサートに、いつもお世話になっているListen Closelyが地元で活躍する音楽家として招かれて演奏をするとのことだったので、聴きに行ってきました。プログラムはルネサンスの曲を中心に、地元で活躍する現代の作曲家の曲も取り上げていて、とても聴きごたえのある良いコンサートでした。お客さんの数も多く、熱心に聴き入っていてくれていたのが印象的でした。そして半屋外のコンサートとはいえ、回廊に響き渡る音響がとてもよかったのも驚きでした。

クロイスターズ美術館を訪れるのは、留学する直前にNYに旅行した時以来で、当時はどこに行くにもおっかなびっくりの中、マンハッタンの北の端にあるクロイスターズまでたどり着けたことがまず誇らしかった記憶があります。Listen Closelyの音楽家たちにはMannes音楽院での同級生が多いのですが、数年後にこうして「同級生」と呼べる音楽家たちの演奏会を聴きに戻ってこられたのだなと少し感慨深く思いました。しかし、それにもまして、こうして級友たちが音楽家としてどんどん社会に出ていっているのを目の当たりにすると、焦りにも似た刺激を受ける思いです。自分もがんばらねば!と思いました。