2012年12月11日火曜日

ピアノ

ついさっき仕事から帰って、今はチーズケーキと紅茶でほっとしています。

ここのところ予定に押し流されておりました。今日はレストランのピアノ弾きのバイトと、ミュージカルシンガーの勉強会の伴奏の仕事が重なったので、練習も含めて朝からほぼずっとピアノを弾いていました。

レストランの方は、先週から時給カバー制度がなくなりました。レストランの事情で、まかないは引き続き頂けるものの時給の保証はなくなり、チップだけで弾く事になりました。困ったことになったと思いましたが、ともかくしばらく様子を見ながら続けさせてもらおうと思っています。先週はオーナーさんが直々にその話をしてくれて厳しい表情でしたが、今日行くと「来てくれてありがとう。」と迎えてくれました。レストランの状況も厳しいのだろうけれど、ミュージシャンの存在自体は必要とされているのを感じて、しかしこちらにもまた生活があり、なんとも言えない気持ちになりました。

ミュージカルシンガーの勉強会の伴奏は、9曲の楽譜を数日前にもらい、必死でさらって弾いてきました。ミュージカルの伴奏をするのは初めての経験ではありませんが、今後こういう仕事を増やしたいと思うと、短期間での譜読みや初見が試されるようでやはり緊張しました。ピアノの練習は時間がかかりますが、楽譜が読める越した事はなく、曲もたくさん知っているべきなので、今の自分には貴重な経験だと思っています。勉強会が終わってお給料を頂くとなんとも励みになりました。

ところで勉強会ではシンガーがお互いに歌い合って、感想やアドバイスを言い合うというものだったのですが、あらためて、音楽家と違う視点で歌を捉えているんだな〜と思って面白かったです。私はピアノを弾きながら、「あ、テンポがちょっと揺れてるな。」とか「すごいフォルテだ。」とか「良く響く声だな〜。」とか思っていたのですが(もう少し専門的なことを考えていたらよかったのですが。。)、シンガー(アクター)達は「その歌はどういうシチュエーションで歌われるの?」「そのキャラクターはどういう気持ちで何を伝えようとしてるの?」という、お芝居の視点で話し合っていました。音楽における客観的な事実「テンポ、ピッチ、強弱、リズム、音色等」といったものに直接アプローチするのではなく、お芝居の視点から変えて行くと言うのは、なんだかもはやカルチャーショックです。コーチングやレッスンなどではもっと技術的なことを習うのかもしれませんが、それでもオペラではもっと発声を中心に作っていくのじゃないかなと思ったり。。。(オペラとミュージカルの違いとして感じることについては、またあらためて書きたいと思います。)そういうこともあり、ミュージカルの現場においては音楽家はどちらかというと「技術者」ともいうべき存在なのかなあなどと思いました。