2014年2月13日木曜日

公演初日


昨日、無事"The Seven"が公演初日を迎えました。写真は完成したセットに照明が入った様子です。

ここ一週間は毎日シアターに通ってのリハーサルで、限られた時間の中で如何に調整していくかの怒濤の日々だったので、昨日の初日でようやく初めてメモをとらず楽譜を追わず顔を上げて全ショーを見たのですが、こんなに緊張するものとは思いませんでした。。

というのもキャストがちゃんと歌ってくれるかが心配というのではなく、照明や音響との段取りの難しさを逐一知っているもので、「あのエントランスはうまく行くだろうか。。」ということが終始気になって、なかなか震えが納まりませんでした。

そんな中、リハーサル最終日に監督がキャストに向けて贈った言葉を思い出しました。彼は初日の前にはいつもそうするらしいのですが、ある演劇に関する本(タイトルを覚えていないのですが。。)からの引用で、内容はこんな感じでした。

「人がどういう時にどれほどの恐怖を感じるか、ということを調査した統計がある。それによると、人は「死に際した時」感じるのと同じかそれ以上の恐怖を、「人前に出て話す」という時に感じる。緊張のあまり『人前でしゃべるくらいなら死んだ方がましだ!』という人がいるのもあながち大げさではない。戦地に向かう兵士は国から表彰されるが、俳優は誰からも表彰されることはない。けれども、君たちがやっていることはそれ以上に勇ましく、尊く、意味があることだ。君たちが舞台で演じる事で、人々に共感する体験をもたらし、君たちもまたそこから「賞賛」以上に素晴らしい体験を得るのだ。」

初日の舞台では、いくつか小さなトラブルはありましたが、キャストとスタッフ達が調整しあって舞台は無事勢いを失う事なく終演を迎えました。客席での私の不安や祈りをよそに、舞台上で生き生きと演じられる本番を見とどけ、ようやくほっとして喝采の拍手を贈る事ができました。