2014年4月7日月曜日

作曲考

ご縁があって、ピアノ科の学生さんから「演奏してみたい」とリクエストをもらったので、昨日は以前に書いたピアノ曲の楽譜の直しをしていました。

2010年、マネス大で作曲の勉強を始めて4曲目に書いた曲で、ピアノで作れる「面白い響き」を模索して書いたことを覚えています。

こちらがその音源です。
https://soundcloud.com/ayumiokada/suite-for-piano-solo-the-days

今回は改訂には踏み込まず、レイアウトをより読みやすくしようと見直しをしたのですが、見る程に「今だったらこういう曲は書かないなあ」と実感し、しかしそれと同時に今の書き方とも通じるところもあるなと思いました。


この曲のタイトルは『子ども時代の日々』といいまして、楽章ごとに「登校中、道草を食ってなかなか学校に辿り着かない子ども達」、「クラス内でのうわさ話」、「静まり返った放課後の学校」など場面を設定して書きました。

なるほど、これまでも物語を設定して曲を書いて来たのだったなあと思いました。ただ、当時は曲の展開の方向性を定める目的で「物語」という背景をあえて作っていたのですが、今は「物語」そのものを「音楽で語る」ことの方に興味があると感じます。結果的に音楽は更にシンプルになり、現状のコンサート・ミュージックからは益々離れていってしまうだろうかとは思うのですが。。。

しかし、どうにも「物語」というものが好きでして、最近ミュージカルの作曲を学ぶ過程でも、音楽で物語る事に益々魅せられていくのを感じます。

そういうこともあり、器楽曲の作曲家としての方向性を模索しているのですが、ぼんやりと、器楽音楽の中にも、文学や既存の物語の力を借りながら最終的には音楽だけで物語る「絵本」や「童話」にあたるジャンルがあってもいいのではないか、と考えたりしています。今後、色々な物語に音楽を書いてみたいと思いっています。