2015年6月6日土曜日

第五回:BMIワークショップについて 「BMIワークショップの概要」

 
 今回からは、BMIワークショップについて三回にわたって書かせて頂きたいと思います。

 それではまず、BMIワークショップの概要についてご説明させていただきます。

 BMIとはBroadcast Music Incorporatedの略称で、アメリカにおける二大著作権協会のうちの1つ[1]です。そしてBMIワークショップとは、正式にはBMI Lehman Engel Musical Theatre Workshopといい、ブロードウェー・ミュージカルの往年の名指揮者であったリーマン・エンゲル氏[2]とBMIのパートナーシップによって1961年に設立されました

 以来、現在に至るまで数々のミュージカル作家を生み出してきました。有名なところでは、アラン・メンケン(『美女と野獣』)、モーリー・イェストン(『タイタニック』)、トム・キット&ブライアン・ヨーキー(『ネクスト・トゥ・ノーマル』)、ロバート・ロペス&ジェフ・マークス(『アベニューQ』)等が出身者です。  

 BMIワークショップに参加するには、毎年夏にオーディションがあり、合格すれば費用はBMIが持ってくれるので学費は必要ありません。二年間、週一回二時間のクラス[3]に参加する事で、Lyricist(リリシスト:作詞家)とComposer(コンポーザー:作曲家)のコラボレーションを通してミュージカル・ライティングの基礎と応用を学びます。そして、二年目の最後にオーディションがあり、それに通れば三年目以降のAdvanced Class(上級クラス)に参加する事ができます。

 今回は、手短かにBMIワークショップの概要について書かせて頂きました。ご興味のある方は、英語のページですが、こちらにBMIワークショップのモデレーター[4]パット・クック氏のインタビューが載っているのでご参照下さい。

 次回はBMIワークショップのプログラムの概要について書かせて頂きます。

************

[1] もう1つはASCAP (American Society of Composers, Authors and Publishers)。

[2] Lehman Engel (1910–1982):アメリカの作曲家、ブロードウェイ・ミュージカル、テレビ、映画の指揮者

[3]「ワークショップ」という言葉は色々な意味で使われるため定義するのが難しいのですが、BMIワークショップに関しては、その活動内容から実際には「クラス」に近く、そう呼ぶことも多いです。

[4] "Moderator”(モデレーター:司会者)とは、BMIワークショップのクラスをリードする、実質先生のことなのですが、ワークショップであるためかTeacherではなくModeratorと呼びます。