2016年3月29日火曜日

散文:春の日




春の暖かい空気に落ち着かないのは、
快適すぎて、優しすぎて、
ひょっとして浄土の空気もこうなんじゃないかと思うから。

寒かったり、暑かったり、
抗わないと負けてしまいそうな厳しい気候の中では
生きている実感を持ちやすい。

それがふっと優しくなった時、
ほんとにこの世のことだろうかと不安になるのかもしれない。
そんな春の日。

********
毎年春にはこんなことを感じ、そんな散文を書いてしまっている気がします。そういう季節もあっという間にすぎてしまうのですが、特に暖かい空気の中に雨の気配を感じる時が好きです。