2016年3月31日木曜日

散文:霧の山


ぱっと見て解法が思いつかない問題、取り組んだことのない仕事に取り掛かるのは、きっと中腹から上に霧のかかった山に登るようなもの。

上の方がどうなっているのか、どんなに険しく、どんなに高いのかが見渡せないから、登るのに尻込みしてしまう。そしてその不安はどんなに下調べしたところで解消できない。山の高さや地形がわかっていても、自分の体力と技術で登り果せるかどうかは実際に登ってみるまでわからないから。

だからこそ、そういう課題に取り組むときは気持ちのデフォルトを「まあ、なんとかなるでしょう。」にしておく。そうすると「そう?じゃあ、登ってみるか。」という気になる。

実際のところは何の保証もないのだから、少し自分を騙すようなものだけど、そうして登ってみて実際に難題に直面したところで、もうその段階ではなんとか解決して前に進むしかない。だから結局は登りきれる。

そしたら「ほらね、登れたでしょ。」「確かに。」ということで、自分もなんとなく納得。それが少し難しい課題に取り組むコツのように思います。(実際の山は、お天気が悪い時には登ってはいけないと思います。)

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この間Tedtalksでのトークをご紹介させて頂いたTim Urbanさんも、ブログの記事で「何事もとりかかるのが一番難しい。」と書かれているのですが、なぜそうなのか、どうすれば少しでも早く自分を課題に取り掛からせることができるのか。先日急ぎで楽譜を作る仕事を頂いたので、まさにそんなことを考えながら取り組んでいました。そして今の所、私にとってはこの考えが一番ピンと来るかなと思っています。