2013年3月31日日曜日

散文:育てる


「独り立ち」をするということは、親元を離れて「ひとりぼっち」になる、ということではありません。むしろついに「子どもの自分」を引き取って育て始めるようなものだと思うのです。

もしも5歳の子の手を引いて歩いていると思えば、信号もよく確認して渡り、歩く道にも気をつけます。その子の健康を気遣い、三食きちんと食べさせて、しっかり眠れるように気をつけます。環境と必要な物を与えて「がんばれ」と励まし、辛そうな時には休ませ、気持ちに寄り添い耳を傾けます。

今まで親が担ってくれていたその役割を、これからはあなた自身が引き継ぐのです。自分を大切に生きるということは自分に対する甘えではなく、むしろ親への感謝の表し方のひとつだと思うのです。

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父がこの春で退職を迎えました。先日は兄が仕事を押して実家に帰ってくれて、兄弟を代表して両親を労ってお祝いしてくれました。(スカイプのおかげで少し参加できました。)

定年まで勤め上げるということも、子どもを育てあげるということも、どれだけ大変な事だったかと尊敬と感謝の気持ちで一杯です。まだその途に立っておらず、独り立ちすらしていない私ですが・・・、しっかり生きて少しずつ恩返ししていきたいと思っています。