2009年11月5日木曜日

ピアノ

今日はルームメイトの門下のピアノの発表会があり聴きに行ってきました。

演奏者はバックステージからではなく客席から交互に舞台に上がっていて、いわゆるコンサートというより演奏の機会を増やす為の発表会という感じでした。授業などあったのですがなんとか間に合い、彼女の演奏を初めて聴くことができました。

ところでマネス大には学部、大学院の他にExtension DivisionとPreparatory Divisionというプログラムがあります。私の理解は往々にしてあてにならないのですが…、おそらく前者にはこれから大学や大学院進学を目指す若者や音楽を本格的に学びたいという様々な年代の大人の方々が、後者は将来音楽家を目指そうという子どもたちが所属しています。ルームメイトもそのExtension Divisionに所属して大学院進学を目指しているのですが、今日は同じく他のExtension Divisionの人たちも演奏しました。

中にはかなり年配の方もいました。ある人は、お気に入りの服なんだろうなという気負わない感じの衣装で楽譜も持参でステージに上がりました。びしっとした衣装を着て、張りつめた空気の中もちろん暗譜で弾く若者が続いた後だったのもあり、いくら門下内の発表会とはいえその大胆な振舞いに少しショックを受けました。しかし、それでもその人がピアノを弾き始めるとその音楽にはとても真摯な印象を受けました。時々風で楽譜がめくれてしまうのを直すために(最早あえてつっこみませんが…)何回か演奏が中断する場面もありましたが、それでも弾き始めると音楽は流れていました。ルームメイトによると、その人は67歳の今も毎日3時間練習しているそうです。始終怒ったような表情で楽譜に見入りながら弾いていたその人が、演奏を終えてようやくはにかむように充実した笑顔を見せて立ち上がった時、本当にこの人はピアノが好きで弾いているのだろうなと思いました。いろんな音楽、あるいは音楽との向かい方があるのだなと思います。