2010年1月30日土曜日

譜めくり

今日もお米を炊いたのですが、3カップ炊いたら水が少し足りなかったようで少々固め(時々アルデンテ)になりました。何食かはチャーハンにしようかと思っています。

昨晩のことですが、学校でベートーベンのバイオリンソナタのコンサートでフロントアッシャーをしていました。前半終わって、いつものように平和にコンサートが終わるのかなーと思っているとインターミッションに入って、バイオリニストとピアニストがやってきて「譜めくりをお願いできないかな?」と言われました。「はぁ、やります。」と応えたものの、おそらくなにかやらかしてしまうだろうなという気持ちは禁じえませんでした。服装はアッシャーのときはスーツなので舞台に上がるのに問題はないと思いますが、知らない曲をぶっつけで譜めくりするというのは…。

演奏前の人にあまり話しかけるのもどうかと思いながら、ともかくめくるタイミングはいつですかと確認すると「1小節早めで。それから立ち上がってめくってね。」と言われて、了解と思ってもう舞台に上がりました。

ところで譜めくりで一番気をつけなければいけないことといえば…、リピート(繰り返し)。ということに曲が始まって楽譜を見て反復記号を見つけたところで気がつきました。ただの反復記号ならそのまま行くのかなと判断したかと思いますが、先のほうを見ると1カッコと2カッコがある。これは、戻るのか…。ぎりぎり迷ってページをもどると、ピアニストが首を振っている…。大失態。一瞬音楽を止めてしまいました。バイオリニストも状況を察して待ってくれていて、ピアニストも落ちついて正しいページに戻って弾いてくれましたが本当に申し訳なかったです。

一楽章が終わると、ピアニストの方からすぐさま「I am sorry.」と小声で言ってくれて、2楽章はリピートして、3楽章はリピートしないということを確認してくれました。

2楽章と3楽章こそはもう失敗しないようにと常に緊張していましたが、とてもいい経験をさせてもらっているとも思いました。ピアニストが本当に上手くて、ピアノはこういう風に弾くんだなと真横で聴きながら思いました。それぞれの場所に情熱を注ぎながら、次に何が起こるかいつもわかっていてすぐにアジャストできて。楽譜を適切に解釈してそれをピアノで表していて。ピアノで表現できることの限界が広いのだなと思いました。そして、自分が今書いている曲からすると1楽章ずつが長くて、これだけ書くほうも書くほうだし、弾く方も弾く方だと思いながら、作曲家と演奏家が演奏を通して対等に音楽の会話をしているような印象を受けました。スコアを見ながら生演奏を間近で聴けるという意味では、譜めくりほどいい席はないなと思いました。ただ、演奏に影響を与えうる責任があるということが大前提ですが…。

ともかく、演奏経験が豊富で大人な人たちだったので終わってバックステージに引き上げてから謝ると「いやーごめんね、僕がリピートを確認しなかったから。」といってバイオリニストに「僕たちが小声で確認してるとき手持ち無沙汰じゃなかった?」ととても余裕で話していて、救われたようなでも申し訳ないような。そんな感じでした。もし次頼まれたらともかくリピートは確認します!